ビットコインは棒上げ 不透明感後退とFRB緩和維持で買い

5日のビットコイン(BTC)対円相場は142,815円(9.68%)高と大幅高となり、終値は1,618,497円と2018年1月上旬以来の水準を回復。昨日の相場は年初来高値(148.7万円)と2019年高値(149.9万円)を大きく上回り、一日の上げ幅としては、19年高値を形成した6月26日ぶりに13万円を超えた。
この日の相場は東京時間からNY市場の引け後まで概ね上昇一色で棒上げとなった。米大統領選の投開票が始まった日本時間4日の相場は、粗い値動きとなりつつも終値ベースでは小幅に上昇し底堅い展開。依然として激戦4州での集計が終わっていないが、バイデン候補の優勢が比較的早い段階で色濃くなり、相場は4日の欧州時間から上昇基調を保っている。
昨日はNY時間の中盤に158万円を背に一時相場が押す場面もあったが、4日から5日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備理事会(FRB)が政策金利の据置と資産購入額の維持を決定したと伝わると、相場は持ち直し、今朝方には160万円台に乗せた。

想定よりも早く大統領選の決着がつきそうだという期待感で、萎縮したリスク選好度が急速に改善していることや、上院で共和党が過半数を維持するとの見通しで、株式市場ではトランプ相場の恩恵がそう簡単には崩れないとの期待感が出ている模様だ。
尤も、トランプ氏は敗北が決まった、あるいはそれが見込まれる複数の州で既に法的措置をとっているが、これに対する市場の反応は今のところ軽微だ。2000年大統領選後のブッシュ対ゴア事件に鑑みれば、連邦最高裁判事の半数以上が保守派である現状では、選挙戦の長期化がもう少し意識されてもおかしくなさそうだが、どちらが勝っても追加経済対策が実現するという落としどころに市場も楽観している訳か。
とは言え、昨日のBTC相場はボリンジャーバンドの2σをも上回り、ややオーバーシュート気味だ。昨日はドルも2週間ぶりの安値に沈み、金相場は2.5%近く上昇するなど極端な動きが目立ったため、本日はその反動に注意したい。






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bitbank Report 2020/11/06:ビットコインは棒上げ 不透明感後退とFRB緩和維持で買い