続くビットコインの快進撃 上値目途と反落のタイミングは?

27日のビットコイン(BTC)対円相場は54,579円(3.98%)高の1,426,579円と2日続伸し、130万円台後半での保ち合いから上放れに成功(第2図)。終値は140万円台を奪回し、昨日は2019年7月高値の1,436,666円にタッチした。
東京時間のこの日の相場は、金相場の下落とドル指数の上昇を物ともせず、137万円台で底堅く推移。流れの出やすくなる欧州時間からは徐々に買いが入り、シンガポールの大手銀行DBSのウェブサイト上で、暗号資産(仮想通貨)の取引とカストディーに加え、セキュリティートークン(トークン化証券)発行サービスに関する情報が公開されると、相場は140万円を目掛け上昇。後にこの情報はウェブサイト上から削除されたが、BTCはショートの踏み上げで140万円を奪回し、NY時間からも為替や株式市場の動向をほぼ無視する格好で上値を追う展開となった。
足元では、昨年7月高値水準がレジスタンスとなり、相場は上昇一服となっている。


言うまでもなくテクニカル的な過熱感は健在だが、高値を警戒した売り持ちのポジションが直近数日で積み上がったことで、巻き戻しの力も相応に強くなった格好だ。今月のBTC相場は強く押すことなく破竹の勢いで上値を伸ばしているが、市場に警戒感が漂う間は踏み上げ相場になりやすい訳か。この先は反対に、SNS界隈やメディアが総楽観になるタイミングに注意しておきたい。
5日間と短い保ち合いを形成した相場だが、「保ち合い放れにはつけ」が相場の鉄則とも言われる。昨年7月高値を越えれば、次は19年高値の1,499,852円が上値目途としてある。また、パターンフォーメーションの観点で言えば、19日から21日かけての上昇幅をこの先も繰り返すシナリオが視野に入り、152万円付近がその上の目途となる。
コロナ感染拡大や米大統領選を目前に尻込みする米株市場を横目に、BTCは個別の強材料で仮想通貨独自の動きを取り戻している。ババ抜き相場の様相とも言えるが、週明け指摘の通り、出来高の増加と大きな値幅を伴って反落するまで、足元の流れが続くだろう。






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bitbank Report 2020/10/28:続くビットコインの快進撃 上値目途と反落のタイミングは?