フラストレーション発散 BTCは短期的過熱感解消を待つ

28日のビットコイン(BTC)対円相場は、週明けの急伸の反動で小幅反落し終値は12,913円(1.11%)安の1,146,688円。週末に保合い上放れとなった相場は、週明け27日に急伸し、4月29日ぶりに10%以上の上昇を記録し120万円にタッチ、終値は2月につけた年初来高値(115万円)を更新すると共に、99.7%の確率で超えないとされるボリンジャーバンドの3σを上抜けした(第2図)。昨日のアジア時間はこうした短期的な過熱感を警戒した売りが台頭し、BTCは一時111万円まで押すも、およそ2ヶ月ぶりに方向感が示されたことで押し目を拾う動きも見られ、この日は終日、前日終値を巡り揉み合う展開となった。一方、暗号資産(仮想通貨)の代表格のBTCが高くなったことで、昨日はアルトコインの物色も見られ、XRP、ビットコインキャッシュ(BCC)、ライトコイン(LTC)相場が高くなり、循環物色相場となっている。
BTCは窓埋めを警戒していたが、「保合い放れにつけ」と言われるだけあり大保合いで溜まっていたフラストレーションが週明けに一気に発散された格好だ。上述の通り、テクニカル的な過熱感がある一方で、およそ2ヶ月ぶりに相場の方向感が示されたことでトレンドフォローの買いが入ると期待され、この先は底堅い展開が予想される。
明日は未明(3:00頃)に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と、米GDP速報値(21:30)の発表を控えており、本日はBTCも様子を伺う展開となるか。先月のFOMCではイールドカーブ・コントロール(YCC)の効果について否定的な姿勢が示されたが、本件について同委員会の姿勢に変化があるか注目される。いずれにせよ、一部の州でロックダウンが再開され、雇用市場が回復しきっていないことから金融緩和を維持する公算は高いと予想され、BTCには好ましい環境が続こう。この他、米中関係悪化に保合い上放れによるボラティリティーの回復と、ファンダメンタルズとテクニカル的に相場環境は19年第二四半期の上昇局面と類似し、トレンド開始の切っ掛けとなる大陽線のあとは日柄調整で高値を維持しつつ揉み合うか。






