FOMC議事要旨でBTC上伸 夏以降の利下げ期待高まる

9日のビットコイン(BTC)円は1598万5円から取引が始まった。東京時間は材料待ちとなり、前日終値を挟み込み小幅な揉み合いに終始すると、欧州時間にはやや買い優勢となり1600万円を回復した。一方、米国時間序盤には、高寄りしたナスダックが上げ渋る展開となり、BTCは一時1590万円まで反落。尤も、エヌビディアを筆頭にハイテク株が粘り腰を発揮する中、BTCも下げ止まると、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、当局者のトランプ関税による物価上昇への影響の見解が割れていたことが好感され、米金利の低下を味方にBTCは1630万円にタッチ、ドル建てでは僅かに史上最高値を更新した。その後はやや水準を下げ、終値は1622万円となった。


10日未明に行われた米10年債入札では堅調な需要が確認され、「アメリカ売り」が幾分後退していることが示唆された。一方、FOMC議事要旨では、関税が長期的なインフレ加速に寄与しないと指摘する声が少数派ながらあったことが示され、「2〜3人」の参加者が7月FOMCでの利下げを選択肢に入れていることがわかった。市場は依然として7月の利下げには懐疑的だが、9月からの利下げを織り込んでおり、本日の米失業保険申請件数が悪化すれば、利下げ期待による金利の低下がBTC相場の支援となろう。ドル建てのBTC相場が終値で史上最高値の更新に成功すれば、上値を追う展開も視野に入り、アップサイドリスクには注意が必要か。


