BTC円続伸も1600万円手前で上げ渋り 米長期債入札に向けて煮詰まる

8日のビットコイン(BTC)円は1581万7629円から取引が始まった。東京時間序盤は1575万円まで下落するも、売り一巡後には反発し下げ幅を奪回した。終盤から欧州時間にかけては、日本やドイツの国債利回り上昇が米長期金利を押し上げる中、1600万円を窺う展開となったが、その後は米国株相場の軟化が相場の重石となり、1590万円まで水準を下げた。一方、6月の米消費者の1年先インフレ期待が2カ月連続で低下したことで再び1600万円に肉薄。米国市場終盤には上げ渋る展開となるも、引け後も底堅い推移を維持し、終値は1598万5円と5月ぶりの水準に戻した。


ドル建てBTC相場は昨日の上昇で下降チャネル上限を上回ったが、終値での10万9000ドル台定着には至らず、3日連続でチャネル上限を挟み込み方向感に欠ける展開となっている。米国とEUの通商協議を巡っては、トランプ大統領が相互関税の新税率を通知する書簡の発送を10日まで延期することを発表した一方、それとは別で輸入する銅、半導体や医療品などの追加関税を近く発表すると表明し、株式市場のリスク選好度を萎縮させた。他方、昨日の米国債市場では利回り曲線がスティープ化しており、BTC相場の支えとなったと言えよう。ただ、今週は10日に米10年債、11日に30年債入札を控えており、それまでは様子見で動意に欠ける展開が続くか。



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bitbank Report 2025/07/09:BTC円続伸も1600万円手前で上げ渋り 米長期債入札に向けて煮詰まる