「アメリカ売り」逆転がBTCの上値を限定 米CPIで利食い進むか

12日のビットコイン(BTC)円は1519万8182円から取引が始まった。東京時間は概ね小動きに終始したが、終盤に米中が相互に課す関税を90日間115%ポイントと大幅に引き下げると報じられ、一時は1560万円近辺まで上値を伸ばした。一方、報道を受けてドルと債券利回りが急伸したことで、BTCの上値は限定されると、米国時間にはイベント通過に伴う利益確定売りが入り、上げ幅を完全に吐き出した。米国市場中盤には1500万円まで一段と水準を下げ、この日のマイナス圏に沈んだ。しかし、引け間際からは買い戻しが入り、終値は1527万2765円と小幅高となった。ドル建てBTCは、ドル円相場の上昇を受けて小幅に下落した。


米中双方が大幅な関税の引き下げで合意したことで、貿易戦争懸念で米ドルや米株が売られる「アメリカ売り」が昨日は逆転し、BTCは一時上値を試したものの、上値は想定以上に限定的となった。本日は米消費者物価指数(CPI)を控えており、市場では前月比での伸びの加速が見込まれている。BTCはテクニカル的な過熱感も確認され、米インフレの加速は更なる利益確定の口実となる可能性に注意したい。ドル建てでは昨日、6日からの上昇の1/3押し周辺となる10万1000ドル(≒1494万円)まで一時的に下落しており、同水準の維持に失敗すれば、節目10万ドル(≒1479万円)のサポートを確認する展開も視野に入る。



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bitbank Report 2025/05/13:「アメリカ売り」逆転がBTCの上値を限定 米CPIで利食い進むか