BTCはまたも3.8万ドル上抜け失敗 諦めるのはまだ早いか?

29日のビットコイン(BTC)対円は小幅に続伸するも、終値での38,000ドル水準(≒558.4万円)の回復には失敗した。米証券取引委員会(SEC)による現物型ビットコインETFの承認期待が高まる中、東京時間のBTC相場は米債利回りの低下も支援となり560万円を回復すると、一部のアルトコイン相場の急伸も相場上昇に拍車を掛け、欧州時間序盤には567万円周辺まで戻した。ただ、その後は高値警戒感から失速。この日発表された第三・四半期の米個人消費支出(PCE)価格指数の改定値は、2.9%から2.8%に下方修正され、BTCは一時持ち直すも、米株がやや軟化する中、BTCは上げ幅をさらに縮小した。


第三・四半期の米PCE価格指数の他、昨日は個人消費も下方修正され、地区連銀経済報告(ベージュブック)でも経済活動の鈍化が示された。指標的には、BTCは堅調な推移となってもおかしくないと言えるが、相場は終値での38,000ドル回復にまたも失敗した。昨日はFRB高官がインフレ鈍化の進捗に疑念を示したが、FF金利先物市場では3月に利下げが開始される可能性が34.6%から48.6%まで上がっており、米金融政策動向を懸念した上値の重さではなさそうだ。だとすれば、BTCは38,000ドルより上では想定以上に高値警戒感があることや、利食いが意識されていると指摘されるが、相場は安値を切り上げつつも直近1週間で同水準の上抜けを3度も試しており、このまま米指標が相場の味方となれば上抜け成功も時間の問題か。本日は10月の米CPE価格指数の結果に注目したい。



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bitbank Report 2023/11/30:BTCはまたも3.8万ドル上抜け失敗 諦めるのはまだ早いか?