BTCは2.9万ドル乗せに失敗 今夜はFRB議長の講演に注目

18日のビットコイン(BTC)対円は一時上値を試すも、終値ではほぼ変わらずだった。フィデリティが現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の申請の修正を提出したことで、東京時間のBTC相場は430万円台に乗せたが、ドル建て相場が29,000ドルにタッチすると433万円で上値を重くした。欧州時間に入ると、BTCは原油価格の上昇を嫌気してか上げ幅を完全に解消。9月の米住宅着工件数の回復を受けた米債利回り上昇も相場の重石となり、一時は422.5万円まで押した。一方、米主要株価3指数が下げ一色となる中、米時間のBTC相場はETF承認期待からか底堅く推移すると、今朝方にはグレイスケール・ビットコイン投資信託(GBTC)のディスカウントがさらに縮小したことを受け、下げ渋る展開となった。


昨日はギャラクシーデジタルのノヴォグラッツ氏が、現物型ビットコインETFは年内に承認される可能性が高いと発言した他、米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長がブルームバーグとのインタビューで、現在申請されている複数の現物型ビットコインETFについて、審査の進捗に関する詳細は明かさなかったものの「審査中である」と発言し、市場の期待感を煽った。本日は米連邦準備理事会(FRB)議長がNY経済クラブで講演を行う予定となっており、昨今の記録的な米債利回りの上昇を受けて、他のFRB高官ら同様に追加利上げの必要性を否定する姿勢をとるかに注目したい。FRB議長の講演が市場にとってハト派に映れば、BTC相場は29,000ドルに乗せる余地もあるだろう。



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bitbank Report 2023/10/19:BTCは2.9万ドル乗せに失敗 今夜はFRB議長の講演に注目