4日続落のビットコイン テクニカル的な強さ薄れる

11日のビットコイン(BTC)対円は4日続落し、一時400万円を下回った。ドル建てで一目均衡表の三役好転が解消された失望感からか、東京時間のBTCは409万円から404万円周辺まで一段安を演じた。欧州時間に入ると米債利回りの低下を眺めて407万円周辺まで戻すも、9月の米卸売物価指数(PPI)が強めに出ると失速し、後にロングの投げを伴って397.5万円まで下落した。一方、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で追加的な金融政策の引き締めに慎重な姿勢が示され、終値にかけてのBTCは400万円を回復した。ただ、相場は今月の上げ幅を解消しており、ドル建てで心理的節目の27,000ドル水準となる402.7万円を終値で割り込んだ。

第1表:前日のBTC対円四本値と値動き 出所:bitbank.ccより作成

第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成
界隈では中東情勢の悪化をBTC相場の下落要因とする声も散見されるが、恐怖指数(VIX)の低下や堅調な米株から鑑みるに、明白なリスクオフムードとも言い難い。10月に入るとBTCの市場占有率が急速に上昇していたが、アルトコインからの逃避にBTCも影響されている可能性もあるか。テクニカル的な地合いの強さが薄れ始めたBTCドルだが、依然として調整の範囲内と言えよう。ただ、昨日は今月1日にブレイクした下降トレンドライン付近や9月からの上昇の半値押し水準で下げ止まっており、これらの水準を維持できるかでセンチメントが一転しそうだ。反対に足元の水準は押し目買いのポイントともなりやすいと言え、今夜の米消費者物価指数(CPI)が弱めにでれば、漸く相場も反発するか。

第2図:ビットコインのハッシュレート、ディフィカルティチャート(左)と先物資金調達率(右)チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

第2表:その他BTC市況データ 出所:bitbank.cc、Glassnode、CoinGeckoより作成

第3表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成