中東情勢悪化の影響は軽微? BTCはFRB高官の発言に反応も

9日のビットコイン(BTC)対円は下落し、420万円乗せに失敗した。本邦が祝日だったこともあり、東京時間にBTCは418万円周辺で横ばいで始まったが、終盤に差し掛かるとXRP相場の下げに連れて410万円近辺まで値を下げた。その後はジリ安で410万円を割る場面もあったが、米時間にはローガン米ダラス連銀総裁が、米長期金利の上昇により追加利上げの必要性が低くなっていると発言し、BTCは下げ幅を縮小した。尚、週末に起きたパレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエルへの軍事攻撃開始を受け、中東情勢の悪化を背景とするエネルギー価格の上昇も確認されたが、BTC相場への影響は今のところ限定的と言え、逃避需要による金(ゴールド)価格の上昇や、ファンダメンタルズを重視した米株の上昇が相場の下値を支えた格好だ。


昨日はローガン総裁の他に米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長も国債利回りの上昇による金融情勢の引き締まりに認識を示し、追加利上げへの慎重姿勢がFRB高官の間で広まっていることが示された。本日も直近で追加利上げに慎重な姿勢を示したアトランタ連銀のボスティック総裁や、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁の発言を控えており、市場の追加利上げ観測が後退すれば、BTCは昨日の下げ幅を奪回するか。テクニカルの側面では、BTCは対ドルで200日移動平均線が相場のレジスタンスとなっている一方、一目均衡表では強い買いシグナルとされる「三役好転」が完成しており、目先では200日線を試す展開も視野に入る。



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bitbank Report 2023/10/10:中東情勢悪化の影響は軽微? BTCはFRB高官の発言に反応も