BTCは米指標控え上値トライ失敗 今夜がターニングポイントとなるか

5日のビットコイン(BTC)対円は上値トライ後に反落し、前日の上げ幅を解消した。東京時間のBTCは414.9万円から小甘く推移するも、ドル建てで逆三尊のネックラインが走る412万円周辺で下げ止まると、小締まる展開に転じた。その後発表された米新規失業保険申請件数が前週から僅かに増加したことで、BTCは28,000ドル水準となる416.6万円を一時上回ったが、9月の米雇用統計を控えた利食いや米株の軟化が相場の重石となり407万円周辺まで反落。幸い、昨日はデイリー米サンフランシスコ連銀総裁が、政策がかなり景気抑制的な領域に到達していることを指摘し、米株はこの日の安値から切り返し、BTCも下げ止まった。

第1表:前日のBTC対円四本値と値動き 出所:bitbank.ccより作成

第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成
昨日も原油価格と米金利が低下したが、失業率の改善や賃金上昇率の加速が見込まれる米雇用統計を控えてBTCは28,000ドル台でポジション調整的な動きに上値を抑えられた格好だ。尤も、BTCドルは28,000ドル周辺に一目均衡表の雲上限と200日移動平均線といったテクニカル的に重要なチャートポイントが密集しており、これらの水準の上抜けには相応な材料が必要と言える。以上に鑑みれば、今夜の雇用統計は米金融政策の手掛かりとなると同時に、テクニカル的にも重要なターニングポイントとなる可能性も孕んでいる。昨日米時間のBTC相場の動きが雇用統計の上振れリスクを織り込むものだったとすれば、結果が市場予想と合致すれば本日の相場は粘り腰を発揮するか。

第2図:ビットコインのハッシュレート、ディフィカルティチャート(左)と先物資金調達率(右)チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

第2表:その他BTC市況データ 出所:bitbank.cc、Glassnode、CoinGeckoより作成

第3表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成
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bitbank Report 2023/10/06:BTCは米指標控え上値トライ失敗 今夜がターニングポイントとなるか