FOMC控え底堅いBTC 安値を切り上げ保ち合い上放れか?

19日のビットコイン(BTC)対円は続伸し、27,000ドル水準(≒399万円)や節目の400万円を3週間ぶりに終値で回復した。バイナンスUSに対する米証券取引委員会(SEC)の調査要請が米裁判所に早々に棄却され、東京時間のBTC相場は380万円台後半でジリ高となると、欧州序盤には上伸し400万円に乗せた。昨日はテザーから10億USDTの発行が確認されたことも相場上昇の後押しとなった模様だが、同社CTOからこれが「在庫補填」であり「発行」ではなく、すぐに市場に流通する訳ではないと説明があると、相場は失速した。その後、8月の米住宅着工件数下振れを嫌気した米株先物の下落に連れてBTCは400万円を割る場面もあったが、野村HDのレーザー・デジタルが機関投資家向けBTC投資ファンドのローンチを発表すると、相場は復調し406万円にタッチした。


ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控え昨日は米株が軟化し、米時間のBTCに買いは続かず、足元では402万円周辺で推移している。明日未明に完結するFOMCでは、ドットチャートにどのような修正があるかに注意したい。年内は金利据え置きへの下方修正も視野に入るが、6月に示された来年の100ベーシスポイント(bp)利下げの見通しが上方修正(利下げ幅縮小)される可能性もある他、直近のインフレ指標の強さから鑑みてパウエル議長が敢えてハト派的な姿勢の変化を見せるとも考えにくい。一方、BTCは週明けから27,500ドル(≒406万円)周辺のエリアを背に安値を切り上げ、チャート上では保ち合い上放れを想起させる値動きとなっている。こうした中で年内追加利上げが否定されれば、利上げサイクル終了の可能性が好感されBTC相場には支援材料となろう。



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bitbank Report 2023/09/20:FOMC控え底堅いBTC 安値を切り上げ保ち合い上放れか?