米債利回り上昇も底堅いBTC 売り落ち着くも買い手不在か

21日のビットコイン(BTC)対円は小幅に上昇し、3日続伸した。中国を中心にアジアの株式市場が下落する中、BTCは381.6万円から始まった。米国の高金利長期化への懸念や、中国が人民元防衛のために米国債を売って外貨を増やしているとの憶測が、この日も米国利回りを押し上げたが、ドル円相場が上昇したことで、円建てBTC相場は381万円を挟み込む展開となった。米時間に差し掛かると、ドル安を背景とした金相場の反発や米債利回りの更なる上昇を受けて、BTCは上下に振れる動きとなったが、その後は米IT株の上昇に支えられジリ高に転じ、終値は382.87万円と小幅に高くなった。

第1表:前日のBTC対円四本値と値動き 出所:bitbank.ccより作成

第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成
本日のBTC相場は引き続き上値の重い展開が見込まれる。米10年債利回りが2007年ぶりの水準に上昇する中、BTC相場が水準を保ったことはやや驚きだが、やはり先週の急落で一旦は売りが落ち着いた格好か。ただ、ジャクソンホール会議や中国経済の先行きに対する警戒感から、市場のリスク選好度は上向き難い状況が続くと言え、BTCにとっては買い材料に乏しいことに変わりはないだろう。米国債相場は昨日の下落の反動も期待されるが、ドル円相場は先週高値絡みで上値を重くしており、利回りが低下してもドル円の下落によって円建てBTCの動きは相殺される可能性もある。米IT株の上昇も高金利の下では持続し難いと見ており、ジャクソンホール会議を通過するまでは様子見が無難か。

第2図:ビットコインのハッシュレート、ディフィカルティチャート(左)と先物資金調達率(右)チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

第2表:その他BTC市況データ 出所:bitbank.cc、Glassnode、CoinGeckoより作成

第3表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成
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bitbank Report 2023/08/22:米債利回り上昇も底堅いBTC 売り落ち着くも買い手不在か