ビットコイン急落で2カ月ぶり安値 200日線防衛に失敗

17日のビットコイン(BTC)対円は急落を演じ、6月20日ぶりに終値で400万円を割り込んだ。米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げへの警戒感からBTCは昨日未明から売りが進むと、始値の付く午前9時台には420万円をおよそ1週間ぶりに割った。その後は下げ一服となりジリ高で420万円を回復したが、欧州時間に入ると再び売りが進むと、米株の続落が相場の重石となり410万円絡みまで下げ足を速めた。本日未明には、イーロン・マスク氏のスペースXが保有BTCを売却したとの報道や、中国不動産大手の中国恒大集団(エバーグランデ)が米NY州連邦破産裁判所に連邦破産法15条(チャプター15)の適用申請をしたことが明らかとなり、相場はロングの投げを伴って390万円近傍まで急落を演じた。

第1表:前日のBTC対円四本値と値動き 出所:bitbank.ccより作成

第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成
BTC対ドルは2月高値絡みで押し目買いが入り、終値にかけて下げ幅を縮小したが、昨日のレポートで下値目途として指摘した200日移動平均線(27,273ドル≒397.4万円)の防衛に失敗した。想定以上の下げ幅となったBTC相場だが、先物市場では2億ドル超相当のロングポジションが清算され、資金調達率がマイナス圏突入と、相場反転の兆候も見られる。ただ、中国恒大集団チャプター15申請により広範な金融市場でリスクオフムードが広がることも見込まれ、本日のBTC相場の上値余地は限定されよう。元より、来週にはジャクソンホール会議を控えており、タカ派的だったFOMC議事要旨や一連の米経済指標の堅調さに鑑みれば、追加利上げへの警戒感からBTCの上値は重いだろう。

第2図:ビットコインのハッシュレート、ディフィカルティチャート(左)と先物資金調達率(右)チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

第2表:その他BTC市況データ 出所:bitbank.cc、Glassnode、CoinGeckoより作成

第3表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成