タカ派的だったFOMC議事要旨 BTCはロングの投げにも要注意

16日のビットコイン(BTC)対円は続落。この日は426万円から取引が始まると、アジアの株式市場の下落やドル円相場の下落が重石となり、東京時間終盤から欧州序盤にかけて425万円割れを窺う展開となった。米時間に入ると、7月の米住宅着工件数や鉱工業生産が前月比で市場予想を上回り、米国債の売りが進み(金利は上昇)、BTCはドル建てで29,000ドル(≒424.5万円)割れを試した一方、円建てではドル円相場の上昇に伴い427.5万円まで反発。ところが、未明に公開された7月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、会合参加者の殆ど(most participants)が政策の追加引き締めを要する可能性があるとの認識を示し、相場は反落。ドル建てでは6月20日ぶりに終値で29,000ドルを明確に割り込んだ。

第1表:前日のBTC対円四本値と値動き 出所:bitbank.ccより作成

第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成
FOMC議事要旨は想定外のサプライズとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げの可能性は市場で然程織り込まれていなかっただけに、目先のBTCはポジション調整による売りが進む公算が高いだろう。テクニカルの側面では、昨日、相場の支持線と指摘した75日移動平均線とボリンジャーバンドの-2σを終値で割り込んでおり、下降バンドウォークの開始に注意したい。足元では、相場は100日移動平均線(28,574ドル≒418.3万円)手前で下げ止まっているが、先物市場ではロングポジションが積み上がっており、こうしたポジションの解消(ロングの投げ)が起きれば、一目均衡表の雲下限(28,287ドル≒414万円)や、200日線(27,284ドル≒400万円)辺りまで下げ余地はありそうだ。

第2図:ビットコインのハッシュレート、ディフィカルティチャート(左)と先物資金調達率(右)チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

第2表:その他BTC市況データ 出所:bitbank.cc、Glassnode、CoinGeckoより作成

第3表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成
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bitbank Report 2023/08/17:タカ派的だったFOMC議事要旨 BTCはロングの投げにも要注意