リスク回避ムード後退でBTCに追い風 上昇トレンド入り直近か

16日のビットコイン(BTC)対円は反発し330万円台を回復した。経営難が危惧されていたクレディ・スイスだが、この日はスイス中銀と同金融当局の支援により、最大で7兆1000億円の調達計画が発表され金融危機の懸念が後退し、昨日のBTCは322万円台から徐々に戻りを試した。一方、相場はドル建てで昨年8月高値(25,200ドル≒335万円)に差し掛かると失速し、欧州中央銀行(ECB)の50ベーシスポイント(bp)利上げ発表を受け、BTCは一時上げ幅を縮小した。しかし、米テクノロジー株の上昇が追い風となり持ち直すと、複数の大手米銀行がファースト・リパブリック・バンクへの支援を検討していると報道され、米銀行システムへの懸念がさらに後退し、米国債が売られドル高円安を助長。BTC対円にはこれが追い風となり、今朝方には330万円台後半に乗せる場面もあった。


昨日は3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き予想が後退し25bp利上げ織り込みが80%まで進んだが、米株市場ではほとんどのセクターで買いが入り、金融危機への懸念が後退しリスク選好度が上向いた格好か。BTC対ドルは終値での8月高値上抜けに再び失敗したが、リスク回避の巻き戻しが続けば同水準の終値でのブレイクも視野に入る。ブレイクアウトに成功すれば、ダウ理論の観点から相場の上昇トレンド入りが指摘される。ただ、本日は米株価指数先物、株価指数オプション、個別株オプション取引の決済が重なるトリプルウィッチングとなっており、米時間には相場が不安定になる可能性に注意したい。



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bitbank Report 2023/03/17:リスク回避ムード後退でBTCに追い風 上昇トレンド入り直近か