微妙な結果だったCPI BTCは9ヶ月ぶり高値つけるも反落

14日のビットコイン(BTC)対円は三日続伸し、先月二十一日ぶりに終値で330万円を回復した。USDCのデペグが解消し、米連邦準備制度理事会(FRB)による積極利上げ観測が消滅する中、320万円を回復したBTCは、この日の東京時間もジリ高で25,000ドル水準となる334万円を試す展開となった。注目された2月の米消費者物価指数(CPI)は前年比で1月から0.4%ポイント減速し(6.4%→6.0%)、BTCは前月の高値を更新し、一時は昨年6月ぶりに350万円台に乗せた。一方、この日は米銀行システムへの懸念も後退し、FRBがペースを緩めつつも利上げを継続するとの観測が強まり、米国債利回りも反発。これによりBTCは上げ幅を縮小し、終値では先月高値を維持できず、ドル建てでは25,000ドル乗せに失敗した。


前年比では上昇ペース鈍化が確認されたCPIだが、コア指数は前年比で僅か0.1%ポイント減速し(5.6%→5.5%)、月次では0.4%から0.5%に加速しており、先週の議会証言でパウエルFRB議長が発言していた通り、コアとなる項目でディスインフレの兆候は殆どなかったと言える。こうしたことも金利据え置き観測後退を助長したと指摘される一方、FF金利先物市場は3月の25bp利上げを既に8割方織り込んでおり、今夜の生産者物価指数(PPI)がCPIと同様の結果でも相場に大きな影響はないか。BTCはドル建てで重要な節目となる昨年8月高値(25,200ドル≒338.3万円)の終値での上抜けが視野に入っており、2月中旬のように期待感から底堅い推移が続くと見ている。



PDFリンク
bitbank Report 2023/03/15:微妙な結果だったCPI BTCは9ヶ月ぶり高値つけるも反落