悪材料重なりBTC大幅続落 1月のCME窓埋め達成

9日のビットコイン(BTC)対円は大幅に続落し、1月20日ぶりの270万円台まで下落した。東京時間から欧州中盤にかけて、外国為替市場でドル安円高が進み、ドル建ての取引が主要なBTCは円建てでジリ安となり、290万円台中盤まで押すも、米新規失業保険申請件数の増加を受けて一時は小締まる展開となった。一方、昨日は米シリコンバレー銀行(SIVB)が預金減少を背景に17.5億ドルの株式売却を発表すると、金融セクターに懸念が広がり、銀行株主導で米主要3指数は下げ足を速めた。BTC相場もこれに連れ安となると、バイデン米大統領が暗号資産(仮想通貨)マイニングに使用される電力への30%の課税を提案、更にNY司法長官事務局が交換業者のクーコインを未登録の証券・商品ブローカーの疑いで提訴したこが相場の重石となり、一段と水準を下げた。


予期せぬ悪材料が重なり、BTCはドル建てでチャートの節目やテクニカル的なサポートが密集する21,400ドル(≒293.5万円)周辺のエリアの維持に失敗し、およそ2ヶ月ぶりに心理的節目の20,000ドル(≒271.6万円)割れをうかがう展開となっている。昨日の相場下落で日足RSIの30割れや、1月に開けたCME BTC先物相場のギャップの窓埋めも達成しており、20,000ドル周辺で下げ止まれるか注目だが、今夜は2月の米雇用統計の発表も控えており、もう一段の下値リスクは想定しておきたい。ただ、上述のように短期的な売りの過熱感も確認される他、先のパウエルFRB議長の議会証言で雇用統計上振れリスクも織り込みが進んでいると指摘され、雇用統計通過後にはある程度の揺り戻しも期待できるか。


