800万円の大台到達なるか?デリバティブ市場では徐々にロングポジションも積まれる
今週の値動き
- 今週のビットコインは2月12日の719万円から取引が始まりました。相場は先週から底堅い動きとなり、日本では祝日だった月曜日もアメリカ時間に上昇しました。先週にこれまでの年初来高値だった712万円を超えたことで、今週に入っても買いが優勢な相場となりました。週央に入ると、過去最高値を更新し792万円まで上昇しました。現在も1時間足は24時間移動平均線(24EMA)の上位で取引され、784万円で推移しています。現在は790万円近辺がレジスタンスとなっており、800万円の大台を前に揉み合う展開です。ここ最近の相場ではアメリカ時間に近づくに連れ、底堅い推移となる傾向があり、金曜日の本日も夜の時間の値動きに注目です。相場は買いがかなり優勢となっており、来週以降も底堅い推移が期待されます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元で上昇傾向にあります。先週までは0.01%以下で推移することが多かったですが、現在は0.125%近辺で推移しています。価格が上昇しているため、短期的なロングポジションが積まれていることを示しています。一方、現物ETFが承認される直前は、0.02%を超えることもあり、1月ほどの投機的な動きはまだみられません。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ショート側で大きな清算が発生しました。価格が年初来高値となる750万円を突破した際に約2400万ドルのショートポジションの清算が発生しました。1時間足の清算額としてはここ3ヶ月間で2番目の高さとなりました。これまでの相場では大きな清算が発生すると、相場の上値が重くなる傾向があります。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で大きく上昇傾向にあります。先週までは10%ほどのプレミアム価格で先物が取引されていましたが、現在は13%台で推移しています。ETF承認前は20%を超える水準を記録しており、こちらでも1月ほどの相場の過熱感はありません。
4.インプライド・ボラティリティ
- 先週まで低い水準となっていたインプライド・ボラティリティは、今週大きく上昇しています。レンジ相場からトレンド相場へ移行していることを示しており、今後のボラティリティの上昇を示唆しています。今週は強い上昇方向への変動が見られますが、今後は高値から調整した際の下落幅も大きくなることが予想されます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で下落しており、ユーザーが取引所から現物を引き出す動きが見られます。年初は同指標が上昇する場面がありましたが、現在はここ3ヶ月間で最も低い水準となっています。取引所では売りに出される現物が枯渇しており、今週の価格上昇に繋がりました。今後も同指標が下落するようなら、相場は底堅い展開が継続するでしょう。
2.含み益アドレス割合
- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合は、足元で価格が上昇している影響から大きく増加しています。対円では過去最高値を更新しているため、長期投資家は全て含み益を抱えている状態です。対ドルで見ても95%のアドレスが含み益となっています。半減期前後の強い値動きが発生する際は90%を超えた水準で推移することが長期間続くことがあり、現在はすでに大きな上昇トレンドに入っていることを示唆しています。
まとめ
- 今週のビットコインは2021年に記録した過去最高値を更新する値動きを見せ、現在の相場が非常に強いことを示しました。取引所保有BTCの低下は、市場の供給不足を示唆しており今後も底堅い推移が予想されます。一方、デリバティブ市場では1月ほどではないものの、ロングポジションが徐々に積み上がっています。下落方向への動きも今後は大きくなることが想定され、高いリスク管理が必要となるでしょう。短期的なロングポジションの清算を伴った大きな下落には注意です。