ETFイベント後に買いが息切れ、短期的な上昇に一服感が出る
今週の値動き
- 今週のビットコインは1月15日の606万円から取引が始まりました。週始めは先週4.8%下落した反動から買い戻しが入りました。月曜日と火曜日は上昇しましたが、630万円台では上値が重くなりました。週央からはレンジでの推移となり、木曜日の夜には再度安値を試す展開となりました。先週ETFイベントが終了したこともあり、上値を追っていく展開にはまだ調整が必要であるとこが示されました。現在は24時間移動平均線(24EMA)を下回り、価格は614万で推移しています。今週の相場は値動きに弱さが目立ち、来週以降も上値が重い展開に注意が必要です。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)はプラスで推移し、0.01%近辺で安定しています。2週間前までは4%を超える水準でしたがETFイベントが終了したことから、短期の買いポジションは解消されたものと考えられます。現在のFRはプラスを維持していますが、相場に過熱感がある状態にはありません。ロングポジションの清算を伴った急落リスクはさほど高くはありません。
2.ロング・ショート 清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ロング側で500万ドルを超える清算が2回ありました。昨日アメリカ時間に下落した際に清算が発生しました。ここ最近の清算額としては小幅に止まりました。短期的なロングポジションの大半は先週にすでに狩られたものと考えられます。下落方向の流動性は枯渇傾向にあることを示唆しています。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は縮小傾向にあります。年初には16%を記録していた同指標は現在、9%程度で落ち着いています。こちらでもETFイベント終了後にロングポジションが解消されたことを示しています。短期的な投機熱は冷めています。
4.インプライド・ボラティリティ
- オプション市場から算出されるインプライド・ボラティリティは足元で大きく下落しています。相場の価格変動が縮小するとの見方から同指標も下落。現在の相場の方向感が不透明であることを示しています。多くのトレーダーが、相場の調整後の動きがあるまで静観している状態です。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元でここ最近乱高下する動きがありますが、年初から見ると小幅に上昇しています。足元で相場の上値が重い要因となっています。取引所保有BTCが今後も上昇するようなら600万円近辺のサポート割れの可能性が上がってきます。
2.マイナー・ネットポジション
- マイナーのアドレスの増減を表す同指標は、マイナスでの推移が続いています。短期的な資金を得るため、マイナーは市場でビットコインを売却しているものと考えられます。マイナーの売りが一巡するまでは相場も上値が重い展開が続きそうです。
まとめ
- 今週のビットコインは週始めは底堅い動きとなりましたが、630万円台では買いが弱くなりました。デリバティブ市場を見ても、積極的に買うトレーダーが減少していることを示しています。オンチェーンでも取引所への送金が微増しており、相場の上値を警戒するデータが示されています。今週は調整局面入りしたビットコインですが、現状の値動きは弱く、調整後の再下落に注意が必要です。