未決済建玉が年初来高値圏へ、今後のボラティリティ上昇に警戒

今週の値動き

- 今週のビットコインは8月7日の413万円から取引が始まりました。週始めは先週同様に底堅く推移し、買いが入りました。価格は火曜日と水曜日に430万円を試す動きとなりました。一方、ここ数週間の高値である430万円のレジスタンスでは買いが続かず反落。現在は426万円で推移し、移動平均線を上回っているものの、高値を超えることに苦労しています。このまま高値更新トライに失敗すると、再度足元の安値である410万円を試す動きが想定されます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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- ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。ロングポジションの割合が高いことを示しています。現在は0.006%で推移しています。今週は価格が上昇しているため、足元でロングポジションは増加しています。投機筋の多くは今後の価格上昇を見込んでいることを示唆しています。
2.ロング・ショート清算

- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ショート側で清算が連発しました。一方、清算額は400万ドルより低い水準にとどまっており、さほど大きな清算は発生していません。足元の高値430万円を大きく超えて来るようだと、さらに大きなショートの清算が発生する可能性があります。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
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- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は拡大傾向にあります。ここ2週間程度で0.5%ほど上昇しており、現在は5.7%で推移しています。これまで上乖離が続いていましたが、今週はロングポジションがさらに積まれました。
4.先物取引決済建玉

- 先物取引の未決済建玉(キャッシュマージン)は足元で大きく上昇しています。相場は調整が最終局面にあり、投機筋のポジションが積まれています。FRの状況から増加した未決済建玉はロングポジションの割合が高いと推測されます。未決済建玉の変化は今後のボラティリティの上昇を示唆しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は足元で下落しており、ユーザーが取引所から現物を引き出す動きが見られます。2週間前は取引所保有BTCは上昇していましたが、現在は上昇分が引き出されています。取引所から現物が引き出されたことから売り圧力が低下し、今週の価格上昇の要因となりました。
まとめ
- 今週のビットコインは430万円の高値を試したものの、レジスタンスを大きく超えていく力強さはありませんでした。デリバティブ市場ではロングポジションが増加していたため、上値の重石となりました。ビットコインはここ数ヶ月間大きなトレンドがなく調整相場入りしていましたが、今週は未決済建玉が上昇していることから今後はトレンドの変化が見込まれます。大きな動きが発生した際は、未決済建玉のロストカットから同方向への動きが連続すると予想され、今後の逆張り取引には注意が必要です。