Curve創業者の投票権が70%を超える、DeFi系のガバナンスモデルに脆弱性

イーサリアム上のDeFiアプリケーションのCurve Finance(Curve)創設者の投票権が70%を超え、ネットワークのガバナンスに問題が生じている。CurveではDAO(Decentralized Autonomous Organization)と呼ばれるガバナンス方式を採用しており、ネットワークのルール変更は投票用トークンを保有するユーザーによって決定される。
CurveのDAOに参加するにはガバナンス・トークンのCRVをロックアップしveCRVを入手する必要がある。現在は発行された約70%のveCRVが創設者の保有アドレスにあり、ネットワークの実質的管理者となっている。ネットワークのルール変更の提案には約33%のveCRVが必要で、採用には最低50%のveCRVが必要になる。
投票権が創業者に集まってしまった要因の一つとして、多くのユーザーがveCRVを入手するためのロックアップを行ってこなかったことが挙げられる。創業者によるとveCRV入手のためにロックアップされたCRVは全体の6.7%ほどしかないという。
さらにveCRVは一時、Curveのリクイディティ・プールに参加しイールド・ファーミングを行うYearn.Finance(FYI)が約50%を保持されていた時期もあった。他のDeFiプロジェクトが大量のveCRVを入手することを阻止するため、一つのアドレスでロックアップできるCRVの数量に上限を設け、長期間ロックアップするほどveCRVを入手できるようルール変更されていた。
ルール変更の結果、現在は創設者が70%以上のveCRVを保有することになってしまったようだ。DAOを採用するプロジェクトは投票権の分配方法を間違うと、投票権が一極に集中してしまい投票プロセスの意味がなくなってしまう。
投票権が特定の団体や個人に集中してしまうとネットワークが乗っ取られてしまう危険性があるため、分配プロセスは非常に重要なプロトコルの一部だ。Curveの問題はDAOを採用するプロジェクトすべてにあてはまり、投票権を大量に獲得できる可能性がある創設者、DeFi系プロジェクト、取引所などに注意しながら投票権の分配をしなければならないだろう。