Bitcoin Weekly Review: ロングポジションの増加は限定的、今後も底堅い推移に期待

今週の値動き

- 今週のビットコインは315万円近辺から取引が始まった。価格は週半ばに乱高下する展開だった。月曜日に一時325万円まで上昇したが、翌日即座に売られた。価格は310万円を小幅に下回り、週前半は結果としてマイナスで取引された。
- 相場の流れが変わったのが水曜日のアメリカ時間からだ。アメリカの消費者物価指数(CPI)が発表され、予想を下回ったことが市場に伝わると、価格は上昇に転じた。インフレが和らぎFRBの利上げペースが鈍化するとの見方からビットコインが買われた。価格はその後328万円にタッチしたがレンジ高値では再度売られ、現在は24時間移動平均となる24EMAを下回って推移している。金曜日時点で価格は320万円で推移している。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率

- 今週の資金調達率は小幅にマイナスで推移する場面も見られたが、現在は0.005%で推移している。価格が底堅く推移し高値を追う展開となったため、ロングポジションの比率が上昇している。一方、資金調達率はさほど高い訳ではなく、大きくロングポジションに偏っているとは言えない。まだ底堅い値動きが期待できる水準だ。
2.ロング・ショート清算

- ロング・ショートの清算は先週より増えている。ショートポジションは先週、ほとんど大きな清算がなかったが、今週は1000万ドルと500万ドル程度の清算が複数回発生している。価格が上昇する場面が多かったため、今週はショートポジションの清算が目立った。価格が一時310万円近辺まで押した時にロングポジションでも900万ドルの清算があった。結果としてこの押し目が絶好の買い場となり相場は反転した。
3.先物価格乖離(3ヶ月)

- 今週の3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率はほぼ横ばい推移となっている。一時は3.5%を超える場面もあったが、価格が押し目を付けた際は2%を下回った。現在は小幅に上昇し2.8%程度で推移している。価格が上値を追う一方、乖離率の推移を見る限りロングポジションはあまり増えていない。ロングポジションが積まれていない状況から今後も上値が軽い展開が予想される。
今週のオンチェーン
1.取引所保のBTC推移

- 取引所保有BTCは足元で、小幅に上昇している。長期では下落が続いていたが、価格がレンジ高値に近づいたため、売り需要が上昇した。現在は238万BTCで推移しており今週の低い値から約1万BTCが増加した。レンジ高値の売り圧力が確認されており、価格調整が行われる可能性が示唆されている。
2.含み益アドレス割合

- 今週の含み益アドレス割合はここ3ヶ月間の高値を更新し63%を記録している。6月以降は価格が底堅く推移しているため、含み益アドレス割合は順調に増加している。6月の底値付近で購入したトレーダーは利益が出始めていることを示している。
まとめ
- 相場は上下に変動する展開となったが、現在の週足ベースでは小幅にプラスで推移している。一方、移動平均線の下位で推移している間は週末の下落懸念が残る。
- デリバティブ市場では、ロング・ポジションの増加は限定的で今後も価格が底堅く推移する可能性を示唆している。取引所保有BTCも長期では下落傾向が続き、売り圧力は減少傾向にある。全体として強気相場を示唆するデータが出ている。