BTCは3週続伸で2カ月ぶり高値 今週は米雇用統計ウィーク
23日〜29日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比227,122円(2.48%)高の9,379,033円と3週続伸し、およそ2カ月ぶりの高値に戻した。
先週の相場は915万円から取引を開始した。週明けにはハリス氏が初めて暗号資産(仮想通貨)に対してポジティブな発言をしたことで、相場は一時930万円台に乗せるも、中東情勢の緊迫化で上値を抑えられた。週前半はその後も底堅い値動きが続いたが、900万円台前半で方向感に欠ける展開に終始した。
一方、週央からのBTC円は、米国の現物ビットコインETFへの資金流入増加を背景に徐々に強含むと、米新規失業保険申請件数の低下を受けて950万円にタッチ。27日の東京時間には960万円に肉薄した。その直後には、自民党総裁選でタカ派的とされる石破氏が勝利したことで、ドル円相場が急落し、円建てBTC相場の重石となったが、米時間に発表された8月の個人消費支出(PCE)価格指数が下振れたことで、相場の下値は堅かった。
BTCドルの日足は先週、200日移動平均線を回復し、27日には3月から続く下降チャネルの上限を終値で上回った。ただ、月末にかけて相場が上値を試す展開は直近2カ月で見てきた嫌なパターンでもある。BTCは8・9月と月初にかけて米国の雇用統計の下振れや円キャリーの巻き戻しによるアジアの株価急落で下値を試す展開となってきた。足元でも石破氏の自民党総裁就任を受けて日経平均が急落しており、BTCも下値を模索する展開となっている。
尤も、「石破ショック」に関しては、影響は一時的な可能性が高いと言える。石破氏が掲げる金融政策正常化の推進や金融所得課税強化は短期間で達成できる話ではない。また、ドル円相場や中国の株式市場、それから米株価指数先物への影響波及は確認されず、本日の日経平均株価の急落は過剰且つ局地的な現象と言えよう。
一方、BTCにとっての本当のハードルは10月4日に発表される9月の米雇用統計と指摘される。7・8月分と非農業部門雇用者数は市場予想を下回っており、雇用統計が発表される度にBTC相場には重石となってきた。9月分のデータではFRBによる利下げの効果も十分に反映されていない可能性も指摘され、引き続き米労働市場の状態には注意したい。
今週はその他、全米供給管理協会(ISM)の製造業景気指数(PMI)とJOLTs求人件数(10月1日)、ADP雇用レポート(2日)、非製造業PMI(3日)などの重要指標が控えている。
他方、18日のFRBの利下げに加え、先週は堅調な米経済指標とインフレの継続的な鈍化が確認され、足元では米国のビットコインETFへの資金流入が回復しつつある。今週も米国の景気の底堅さが示されれば、ETFへの資金流入が継続し、今度こそBTC相場のブレイクアウトに繋がる可能性もあるだろう。
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bitbank Report 2024/09/30:BTCは3週続伸で2カ月ぶり高値 今週は米雇用統計ウィーク