BTC月足は史上初の7連騰 半減期に向けて堅調推移続くか
3月25日日〜3月31日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比649,648円(6.40%)高の10,799,999円と反発し、月足では史上初となる7連騰を記録した。
週明けの相場上昇以降、29日の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控え、先週のBTC円は1060万円周辺で揉み合う展開が続いた。28日には、米国の現物ビットコインETFへの資金フロー改善を好感し、一時は1080万円にタッチするも、重要指標の発表を控え、相場は保ち合い上抜けに失敗。すると、29日のデリビットでのオプションカットに向けて相場は上値を重くし、1060万円を割った。
2月の米PCE価格指数は、前月比で+0.4%→+0.3%、コア指数も+0.5%→+0.3%とインフレ鈍化傾向を示し、BTC円は一時1070万円台に戻すも、その後、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「利下げを急ぐ必要はない」と発言したことで、1050万円近辺まで値を下げた。
一方、ドル建てで前年までの史上最高値(ATH)となる69,000ドル水準(≒1045万円)で相場は反発すると、週末には半減期を控えたビットコインキャッシュ(BCH)や他のアルトコインの上昇に連れて1080万円まで戻した。
今週のBTC円は、ドル建てで史上最高値付近の74,000ドル水準(≒1120万円)を試す展開を想定する。1・2月の米消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)の高止まりを受けて、2月のPCE価格指数も強めに出ることを警戒していたが、結果としてはサービス業でのインフレペースが減速し、全体ではインフレ鈍化傾向の継続を示した。中長期的なインフレの方向感を示すトリム平均PCEも、前年同月比で3.13%と10カ月連続で低下し、緩やかながらも中長期的にインフレが鈍化していることが再確認できたと言えよう(第2図)。
他方、米国の現物ビットコインETFへの資金フローを巡っては、全営業日で純流出となった2週前から一転して、先週は全営業日で純流入を記録。日次の流入額としては平均値を上回る日と下回る日が半々となっており、依然として完全復活とは言えないが、やはり相場の過熱感後退と共に徐々に資金流入が回復した。
翻って金(ゴールド)市場では、BTC相場が高値で揉み合う中、ドル建ての金価格が初めて1オンス=2,200ドルを超えた。2月には金ETFからの資金流出とビットコインETFへの資金流入で「乗り換え」の動きが確認されたが、3月後半には金ETFへの資金流入の復調も確認された。金ETFの需要回復で足元のビットコインETFへの資金流入が鈍化している可能性も指摘されるが、金相場には過熱感も出始めている。一方のBTC相場は過熱感が後退し、先週は堅調な推移となったことで、金相場の過熱感が意識されれば、代替としてビットコインETFに資金が戻る可能性もあるだろう。
また、今週は米雇用統計が5日に控えているが、東京時間の3日朝に予定される半減期に向け、BCH相場は強含んでおり、週前半にかけて暗号資産(仮想通貨)市場の上昇を牽引する公算もあるか。今月後半にはビットコインの半減期も予定されており、半減期に向けた織り込みでBTC相場の下値は堅いだろう。
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bitbank Report 2024/04/01:BTC月足は史上初の7連騰 半減期に向けて堅調推移続くか