BTCは4週続伸と堅調 トレンドの勢いには陰りも

23日〜29日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比142.984円(4.85%)高の3,088,821円と4週続伸し、昨年11月の下げ幅を解消した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が迫る中、先週のBTC相場はドル建てで23,000ドル水準となる300万円周辺で揉み合いが続いき、底堅かった昨年第四・四半期の米GDP成長率や、前年比で2ヶ月連続減速が確認された12月の米個人消費支出(PCE)を持ってしてもはっきりと方向感を示すことができなかった。
一方、通常はボラティリティの落ち着きやすい週末にライトコイン(LTC)やビットコインキャッシュ(BCC・BCH)相場が上伸し、BTCも連れ高を演じ310万円にタッチした。


今週はいよいよFOMC会合が開かれ、2月2日未明に結果が出る予定だ。12月のPCE減速を受け、インフレの中長期トレンドを示すトリム平均PCEインフレ率は、政策金利誘導目標上限の4.5%をコロナ禍以降で初めて下回り、4.4%を記録した(第2図)。その他のインフレ指標の継続的な上昇ペース鈍化と景気減速により、米連邦準備制度理事会(FRB)も一層利上げペースについて慎重になることが想定され、今週は2会合連続の利上げ幅縮小(75bp→50bp→25bp)決定が予想される。
一方、市場は年始より追加の利上げ幅縮小と年内の利下げ開始を織り込み復調した背景があると指摘されるが、FF金利先物市場では利上げ幅縮小を99.9%織り込んでおり、FOMC通過後は材料出尽くしとなる可能性に注意したい。加えて、年内利下げ開始観測や米株の戻りは、市場の期待感が先走っていることの現れにも見え、FOMC後のパウエル議長の記者会見で楽観的な市場を牽制する発言があってもおかしくなさそうだ。

他方、テクニカルの側面でもBTCの価格トレンドには注意が必要だ。200日移動平均線回復や一目均衡表の三役好転示現など、トレンド指標は強気を示している一方で、BTC対ドルの相対力指数(RSI)では左近の相場上昇に逆行してダイバージェンスが出現していると言え、価格トレンドの反転シグナルが点灯している(第3図)。
一見すると強気一色に見えるBTC相場だが、FOMC通過後には値幅調整が入るシナリオに用心しておきたい。



