方向感に欠けるBTC 雇用統計には要注意

2日のビットコイン(BTC)対円相場は73,445円(1.13%)安の6,401,471円。1日米時間には、短期レンジ上限の670万円上抜けを試したBTCだったが、米国で初のオミクロン変異株感染ケースが確認されたことでリスクオフが波及し、2日東京時間には日経平均の下落も重石となり、レンジ下限となる634万円割れを伺った。対ドルで節目の56,000ドル周辺となる同水準では押し目買いが入り反発するも、前日終値や15分足の200本移動平均線が走る640万円台後半のエリアが上値抵抗となり、この日の相場は概ね634万円〜649万円の狭いレンジでの推移に終始した。

昨日は米国の主要3指数と長期金利の反発が確認され、市場がオミクロン・ショックを消化しだしたことが示唆された。その一方で、イールドカーブのフラット下には歯止めがなかなか掛からず、米金融政策の先行き不透明感が根強いことも示されている。
こうしたなかで本日は米雇用統計の発表を控えているが、上・下振れどちらのパターンでもBTCの反応は読みづらい。そもそも、オミクロン変異株の検出でリスクオフとなった市場だが、今週のADP雇用レポートと新規失業保険申請件数が市場予想より堅調だったことがリスク資産にマネーが回帰する切っ掛けになった。しかし、雇用統計はFRBの政策判断を左右し得るだけに、11月雇用者数と賃金が予想以上に増加した場合、政策正常化前倒しを正当化させる。
FedWatchによると来年上半期中の利上げを織り込む動きは見られるが、依然として来年4月までは大多数が現行レート維持を予想しており、市場が政策前倒しを織り込むにはもう少し時間が必要かと指摘され、雇用統計の上振れが単純に市場のリスク選好度回復に繋がるかには疑問が残る。
足元では、米10年物期待インフレ率(BEI)が下げ止まり反発しているが、BTCのレンジ上抜けの切っ掛けとして期待していたイーサ(ETH)の史上最高値更新もお預け状態となっており、レンジブレイクまで過度なリスクは取らず、様子見が無難か。




