方向感に欠けるBTC相場 注目イベントまで揉み合い続くか?

先週(10月25日〜31日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比84,401円(1.22%)高の7,012,401円と小幅反発。ローソク足の実体が短く、上下に長いヒゲを付け、方向感が定まらない1週間だったことが示された。
シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物10月限月期限(SQ)を前に上昇した29日のBTC相場だったが、節目63,000ドル(≒719万円)を目前に失速。前日のFacebookのMetaへの改名を受けてイーサリアム系のメタバース銘柄が上昇し、この日はイーサ(ETH)が対ドルで過去最高値を更新していたが、BTC相場の失速を受け、主要アルトも全体的に上値を重くした。
商いの細り安い週末は、一部アルトコインの上昇も確認されたが、BTCは目星い材料に乏しく概ねジリ安に終始。しかし、節目の60,000ドル(≒684万円)がサポートとなり反発すると、ギャップダウンして始まったCMEのBTC先物の窓埋めを目指し、今朝方に61,000ドル台中盤まで戻した。

29日には、レンジ上限として指摘した62,000ドル(≒707万円)を終値で超えたBTC相場だったが、想定していた以上に同水準近辺での売り圧力が強かった印象だ。一方、BTC対ドルの週足は、3週連続で、終値で60,000ドルを維持しており、日足ベースでは58,000ドル〜60,000ドルエリアで底堅さを印象付ける推移となっている。
今週は2日〜3日にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される予定で、今回の会合で資産購入の段階的縮小(テーパリング)のアナウンスがある見通しとなっている。セオリー通りに考えれば、流動性相場の巻き戻しと物価上昇率が抑えられるとの思惑から、BTCには売りが入ると指摘されるが、11月のテーパリング開始が濃厚となった9月のFOMC会合後にBTCが上値を伸ばすことができたのは、それまで「インフレは一時的」としていた当局者の多くが手のひらを返し始めた影響が大きいと見ている(また、それによる期待インフレの上昇)。
よって、テーパリングの開始が既に織り込み済みと想定すれば、市場の注目はインフレ見通しへの言及や、来年の利上げタイミングのヒントの2点となるか。いずれにせよ、結果が出るまでは、相場も様子見となりやすいと指摘されるが、結果が出るまで58,000ドル〜62,000ドルエリアはサポートとして機能すると見ている。





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bitbank Report 2021/11/01:方向感に欠けるBTC相場 注目イベントまで揉み合い続くか?