BTC、超えられない2月高値 今週末大注目のSNL

6日のビットコイン(BTC)対円相場は113,833円(1.82%)安の6,149,204円と反落。4日から5日にかけて、630万円から43万円と大きな値幅で下に往って来いを演じたビットコインだったが、昨日の相場は少し落ち着きを取り戻した格好となった。
東京時間のこの日のビットコインは、主要アルトコイン相場が前日の急伸から反動安で押す中、620万円周辺で底堅い推移となったが、欧州市場の序盤にイーサリアム(ETH)相場が切り返し始めると、ビットコインも連れ高となり上昇した。一方、相場が対ドルで2月高値水準となる636万円にタッチすると、すかさず戻り売りが入り反落(第2図)。米市場序盤には620万円まで押し、引けにかけてはゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長がより広域な暗号資産(仮想通貨)規制の可能性を示唆したことや、アルトコイン相場の下落につられる形で一段と安くなり、節目600万円周辺まで下落した。
足元では、節目で押し目買いが入り、615万円まで戻している。


昨日は、米新規失業保険申請件数がパンデミック下で最も低水準となったことで、本日米労働省が発表する雇用統計も大幅に改善する期待感が生まれ、株式市場ではリスク選好度の回復がうかがえたが、ビットコインはこの流れに乗ることができなかった。以前、テクニカル的な要因でビットコインと米主要3指数との相関が崩れていると指摘したが、こうした傾向はさらに進行しており、過去30営業日間のビットコインと米主要3指数の相関係数は、それぞれゼロ付近での推移となっている(第3図)。

テクニカル的には、三役逆転を解消し、ボリンジャーバンドもスクイーズしていることから、2週間ほど前よりセンチメントは改善していると言え、ビットコインの市場占有率もいつ切り返してもおかしくない水準まで低下していることから、相場が上昇トレンドに回帰するのは時間の問題かと指摘されるが、何かしら切っ掛けが欲しいところだ。
今夜の米雇用統計が市場の予想通り大幅に上振れとなればリスクオンが継続しようが、上述の通り、株式市場との相関が低下する中でビットコインへの影響は限定されるか。ただ、①仮想通貨市場での循環物色の継続、②株式市場でのリスクオンムード、③さらには先月末からの米期待インフレ(ブレークイーブン・インフレ率)の上昇から鑑みるに、ビットコイン相場は目先も底堅い展開が予想される。イーサリアムやビットコインキャッシュの反動安につられるシナリオも視野に入るが、目先では今週安値の580万円周辺がサポートとして期待される。
余談とはなるが、8日に放送される米国の長寿娯楽番組の「Saturday Night Live(通称SNL)」にイーロン・マスク氏がゲスト出演することが決まっている。SNLでは番組の冒頭にゲストがモノローグをするのが定番のフォーマットとなっているが、今週の放送ではマスク氏がモノローグ中にドージコイン(DOGE)について言及するかが注目されており、DOGE相場は8日の放送を前に上昇している。番組は日本時間9日午後12時半から放送が開始される。




