WBTC発行数増はLINKの支援材料 反発後のBTCの上値は限定的か

24日のビットコイン(BTC)対円相場は52,385円(4.85%)高の1,132,286円と、前日の下げ幅を上回り反発。週足では一時、6.31%安水準まで下落した相場だったが、昨日の反転上昇で1.05%安水準まで戻した。
株安・ドル高を背景に前日のBTC相場は安値を広げ、9月9日ぶりに107万円水準まで沈んでいたが、この日はチェーンクリンク(LINK)が市場の反発を牽引する形で大幅上昇。LINKの上昇要因としては、イーサリアム上で発行されるBTCの価値にペッグされたラップドビットコイン(WBTC)トークンの発行ペースが加速していることが指摘される。WBTCは分散型取引所(DEX)に流動性を齎す有用なトークンとなっており、WBTCの発行数増加はDEX利用需要が伸びていることを示唆すると共に、チェーンリンクはこうしたDeFiアプリケーションにプライスフィードとして利用されることから、LINK相場にとって支援材料となったと指摘される。
加えて、昨日は米追加経済対策協議を再開する意向がムニューシン財務長官から示され、ドルの上昇に歯止めが掛かったことも、NY時間のBTC上昇に寄与した。

米株の急落はやはりBTC相場の重石となり、週明けから週央にかけては緊張感の漂う展開となったが、ビットコインのハッシュレートはやや低下基調にあるもの130 Ehash/s水準を維持しており、未だ強い実需の売りは誘発されていない模様だ。
米経済対策協議再開への期待感から昨日は米主要3指数も反発したが、民主党が新たに策定を始めた対策案は、共和党が以前打診しトランプ大統領が支持した1.5兆ドル規模を上回っている。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は今週、米経済回復のため政府からの支援の必要性を繰り返し訴えたが、依然としてスムーズな議決に運べるかには不透明感がある。また、欧州でのコロナ再拡大がユーロの重石となることも懸念され、DeFiブームだけでは目先のBTC相場の上値は限定的か。






PDFリンク
bitbank Report 2020/09/25:WBTC発行数増はLINKの支援材料 反発後のBTCの上値は限定的か