安値を広げるBTC この先相場の底入れを示唆するサインとは?

21日のビットコイン(BTC)対円相場は4.8万円安(- 4.69%)の97.7万円と、節目の100万円を割り込み2日続落した。20日のマイニングディフィカルティー下方調整後の相場復調が期待されたが、11年間動くことのなかった50BTCを保有するアドレスから10BTCの送金が検知されると、古参ネットワーク参加者の利食いが警戒され相場は急落。5月7日高値(107万円)と14日高値(106万円)を起点とする短期下降トレンドラインの上抜けは騙しとなり、105万円から102万円まで相場は押した(第1図)。翌21日もハッシュレートの下落が重なり、需給悪化への懸念から相場は概ね売り方主導で、一時は95万円まで安値を広げた。ディフィカルティーの下方調整は半減したマイナーの収益性を改善させるため好材料と予想したが、相場水準が低下したことでその効果はキャンセルアウトされたか。いずれにせよ、ディフィカルティー調整後の相場下落は市場で失望感を生むと共に、マイナーのBTC売りへの警戒感を誘っているだろう。
予て指摘の通り、これまでハッシュレートの上昇に対する相場の逆行安が続きマイニングの収益性が悪化すると、相場の急落と共にディフィカルティーが低下し、ハッシュレート及びディフィカルティーの反発後に相場が底入れとなるパターンが見られた(第2図)。足元では、ハッシュレートの下落に対し相場が逆行高となっていた訳だが、12日の半減期で収益性が悪化したことに変わりはなく、向こう1、2サイクル(約半月〜1ヶ月)を目処に収益性が安定する水準までディフィカルティーが下がるだろうと見ている。よってこの先は、ディフィカルティー反発のタイミングと、ハッシュレートの短期と中期の移動平均線がゴールデンクロスを示現するかに注目したい。
それまでの間、相場は軟調地合いとなりやすいと指摘されるが、cryptothisの試算では、今サイクルでのディフィカルティー調整はおよそ- 15%と大幅な低下が予想されており、相場の底入れを見込んだ押し目買いが入る余地もありそうだ。また昨日は、中国全人代が香港への国家安全法の導入検討を表明したことに対し、トランプ米大統領は、実現すれば強硬な対応をとると発言し、市場の注目は米中間のテンションの高まりへシフトしつつある。目先では上値の重い展開が続こうが、やはり中長期ではBTCに資金が流入しやすい状況が想定される。












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bitbank Report 2020/05/22:安値を広げるBTC この先相場の底入れを示唆するサインとは?