L1競争激化でイーサが復調 オプション市場ではアップサイドの織り込みも
27日のビットコイン(BTC)対円はアルトコイン相場の復調に連れ高となり、前日の下げ幅をほぼ奪回し、終値で610万円を回復した。取引材料に乏しい中、東京時間のこの日の相場は小甘く推移し、一時は600万円近辺まで押したが、その後はイーサ(ETH)やビットコインキャッシュ(BCH)など、これまで失速していた主要アルトコイン相場が急伸し、BTCは610万円の上抜けに成功した。米時間序盤には、43,000ドル水準(≒612万円)を挟み込み一時は揉み合ったが、主要アルトコイン相場が上値を伸ばす中、BTCも底堅い推移となった。ただ、円建てBTCは米国債利回りの低下に伴う外国為替市場でのドル円相場の下落が上値を抑制する要因となり、上昇幅は限定された。
失速していたアルトコインが復調したのは想定外だった。L1プラットフォーム系で王座に君臨するイーサリアムの後を追うソラナ(SOL)やアバランチ(AVAX)の追い上げが一服したかと思いきや、昨日はETHが息を吹き返した。循環物色の持続性が読み難くなったが、BTC無期限先物市場の過熱感は健在だ。ただ、29日にデリビットのプションカットを控える中、最大ピンの40,000ドル(≒565.2万円)が意識される一方、昨日は45,000ドルや50,000ドルストライクのコールオプションで取引があった(アップサイドを織り込む動き)。BTC先物の資金調達率(fr)の高さは依然として引っ掛かるが、循環物色の継続に加えてテクニカル的な地合いの強さや米国債利回りの低下も考慮すれば、目線の切り替えが必要か。本日のBTCは、まずは44,000ドル(≒621.7万円)をクリアできるかに注目だ。
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bitbank Report 2023/12/28:L1競争激化でイーサが復調 オプション市場ではアップサイドの織り込みも