上値重くも下げ渋るBTC コインベースの株価急伸の背景は?
27日のビットコイン(BTC)対円は上値の重い展開となり、高値圏で小幅に下落した。バイナンス元CEOのCZに予想以上に重い刑罰が課される可能性が浮上し、同社の運営にも若干の不透明感が再燃する中、東京時間のこの日のBTCはドル円相場の急落も上値圧迫材料となり、560万円を割り込んだ。海外時間にも上値の重さを嫌気した売りが入り、米時間には550万円下抜けを窺う展開となった。一方、その後発表された10月の米住宅販売戸数が下振れると、米債利回りが低下しBTCは下げ止まった。また、本日未明に行われた米5年債の入札で予想以上の需要が確認され利回りがさらに低下するのを眺め、BTCは今朝方に550万円台中盤まで戻した。
高値圏で上値の重さを印象付ける値動きとなったBTCだが、国債利回りの低下が相場の下支えとなり下げ渋る格好となった。本日は9月の米住宅価格指数やコンファレンスボードの11月消費者信頼感指数が控えており、順当に市場予想と合致すれば、利回りの更なる低下、ひいてはBTCの支援材料となろう。他方、失速する暗号資産(仮想通貨)市場を余所目に昨日は米コインベース(COIN)の株価が2営業日連続で年初来高値を更新し、およそ1年半ぶりの水準に戻した。同社は現在米国において申請されている現物型ビットコインETFのカストディアンとして殆どのファンドから指定されており、ETFの早期承認期待が株価にも反映されていると推測される。すなわち、ETFの早期承認期待は健在と言え、BTC相場は高値圏で強く押せば引き続き押し目買いが入りやすいと指摘される。
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bitbank Report 2023/11/28:上値重くも下げ渋るBTC コインベースの株価急伸の背景は?