金利据え置き観測がBTCに追い風 今夜のCPIは見極め難い状況

13日のビットコイン(BTC)対円は二日続伸し、320万円を1週間半ぶりに終値で回復。ドル建てでは、昨年9月高値(22,800ドル≒304.6万円)を回復し、一気に24,000ドル(≒320.6万円)台に乗せた。一連のシリコンバレーバンク(SVB)の有価証券売却から経営破綻騒動で270万円周辺まで売られたBTCだったが、週末に預金保護の特例が出されると下げ幅を奪回し、300万円を回復。昨日は欧州序盤に緩む場面もあったが、米国債利回りが下げ足を速めると相場は反転上昇し、320万円を回復した。一方、米時間には、米中堅銀行経営難への懸念が燻り銀行株の下げが主要株価3指数を圧迫し、BTCは上げ渋る展開となった。


米政策金利に敏感な米2年債利回りは昨日、一日で61ベーシスポイント(bp)と急低下した。米銀行システムの信用毀損もさることながら、FF金利先物市場では3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での50bp利上げ観測はゼロ%まで潰れ、金利据え置き観測が台頭し始め、米国債利回りには重石となった。BTC相場はこうしたFOMCの方針転換期待に支えられている他、USDCのリペッグ(1ドルに戻ること)によるSVBショックの消化が追い風になったと指摘される。本日は2月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、市場予想は1月からほぼ横ばいとなっている。インフレの高止まりと景気への懸念の狭間で2月のCPIが如何にFRBの決定を左右するか見極め難くなっており、今回は市場の反応を見届けてから明日の生産者物価指数(PPI)に備えるのが無難そうだ。



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bitbank Report 2023/03/14:金利据え置き観測でBTCに追い風 CPIは見極め難い状況