仮想通貨のスワップとは通貨同士の交換!仕組みや方法をわかりやすく解説
仮想通貨におけるスワップとは「通貨同士を交換する仕組み」のことです。
スワップの特徴とやり方を理解すると、仮想通貨の複雑なサービスも把握しやすくなるうえ、上手に活用すると利益を上げられる可能性があります。
本記事では、仮想通貨スワップに関する以下の項目を解説しています。
【この記事を読むとわかること】
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仮想通貨スワップについて気になる方は、参考にしてください。
【結論】スワップとは「仮想通貨の交換」
仮想通貨スワップは、ユーザーが異なる種類の仮想通貨を交換するプロセスです。
仮想通貨スワップでは、ユーザーが中央集権的な取引所(CEX)を介さずに交換するため、パンケーキスワップやユニスワップなどの分散型取引所(DEX)が利用されます。
分散型取引所では、取引がブロックチェーン上で直接行われるため、中央の仲介者が必要ありません。そのため、セキュリティの高さとプライバシー保護されやすい点が特徴です。
ここでは、仮想通貨のスワップについて以下3つを解説します。
- スワップに使われる主なブロックチェーン
- スワップとブリッジの違い
- スワップを活用してDefiに挑戦できる
スワップに使われる主なブロックチェーン
スワップに対応している分散型取引所には、対応しているブロックチェーンが複数存在します。
仮想通貨スワップに使われる、主なブロックチェーンと特徴は以下のとおりです。
ブロックチェーン | 特徴 | 分散型取引所 |
イーサリアム | ・スワップの中心的な銘柄 ・主要な分散型取引所(DEX)は、イーサリアム上で動作している | ・Uniswap ・SushiSwap |
バイナンススマートチェーン | ・イーサリアムと互換性のあるブロックチェーン ・バイナンス取引所によるサポートがある | ・PancakeSwap |
ポルカドット | ・異なるブロックチェーン間の相互運用性を提供できる | ・Moonbeam |
とくに、イーサリアムとバイナンススマートチェーンは、分散型取引所を活用しやすく、スワップによく利用されます。
ブロックチェーンごとに対応している分散型取引所は異なるため、スワップを利用するときは注意しましょう。
スワップとブリッジの違い
スワップをする際、同じくよく使う用語に「ブリッジ」があります。
ブリッジとは、異なるブロックチェーン間で仮想通貨を移動する仕組みです。一見スワップと似ているため、言葉の違いを以下表で確認しましょう。
特徴 | 事例 | |
スワップ | 同じブロックチェーン同士で交換する | イーサリアムチェーンのUSDTとイーサリアムチェーンのイーサリアムを交換 |
ブリッジ | 異なるブロックチェーンのなかで移動する | イーサリアムチェーンのUSDTからバイナンススマートチェーンのUSDTへ移動 |
たとえば、「イーサリアムチェーンの銘柄をスワップしたいけど、バイナンススマートチェーンのUSDTしかない」ケースで活用できるのがブリッジです。
スワップは同じチェーンの別銘柄に交換が可能※です。一方ブリッジは、同じ銘柄で別のブロックチェーンに移動できる点が異なります。
※近年では異なるチェーン同士でスワップできる、クロスチェーンスワップも可能になっている
両者は似ている一方で、可能な処理が異なるため、特徴を理解して活用しましょう。
スワップを活用してDefiに挑戦できる
スワップは分散型取引所上で提供されるDeFi(分散型金融)サービスのひとつであるため、スワップを行う場合は自然とDefiにも挑戦できます。
Defi(分散型金融)とは、銀行や証券会社などの中央集権的な機関を介さずに、インターネットを通じて金融取引ができるシステムです。
ブロックチェーン技術の1つである、「スマートコントラクト」と呼ばれる自動システムを活用しているため、仲介者なしでも取引を実行できます。
たとえば、仮想通貨の貸し借りや交換、保管など、銀行と同様のサービスを管理者なしで利用できるのが特徴です。
スワップを利用すると、Defiに挑戦できるため、資産運用の幅が広がる可能性もあります。
仮想通貨のスワップを実施する方法
仮想通貨スワップの実施方法は、通常の取引方法と異なるため、事前に理解しておく必要があります。
ここでは、仮想通貨をスワップする2つの方法を紹介します。
- 取引所のスワップサービスを利用する
- DEX(分散型取引所)を通じてスワップする
取引所のスワップサービスを利用する
日本国内ではサービスを提供していないため一般的ではありませんが、取引所のスワップサービスを利用する方法があります。
スワップサービスは取引所内のウォレットにスワップしたい銘柄を入れて、希望に沿ったDEXを提案してくれるサービスです。
取引所の口座開設が必要であるため、DEXを利用する場合でも本人確認が必要です。
DEX(分散型取引所)を通じてスワップする
主流なのは、UniswapやPancakeSwapなどのDEX(分散型取引所)を通じてスワップする方法です。
DEXは中央管理者の仲介がいないため、プライバシーとセキュリティ性が高いという特徴をもっています。
DEXを使うメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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DEXは中央管理者がいないため、誰でも豊富な銘柄を取引できるメリットとして挙げられる一方、資産の管理は自分で行う必要があります。
DEXの特徴を理解したうえで、スワップするか検討しましょう。スワップに必要なウォレットの詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-wallet
スワップできる主なDEX(分散型取引所)の紹介
仮想通貨スワップは、主にDEX(分散型取引所)で行うため、種類と方法を知っておきましょう。
ここでは、主なDEXについて以下3つを解説します。
- ユニスワップ
- パンケーキスワップ
- クイックスワップ
ユニスワップ
名称 | ブロックチェーン | 独自トークン |
ユニスワップ(Uniswap) | イーサリアム | UNI |
Uniswapは、イーサリアム上に構築された代表的なDEXであり、ユーザーがトークンを迅速かつ安全にスワップできるプラットフォームです。
多くのトークンがイーサリアム上で発行されているため、取引量と流動性が高い特徴をもっています。
ユニスワップは以下の手順で行います。
- 取引所でイーサリアムを購入
- ウォレットに送金
- ユニスワップにアクセス
- ユニスワップにウォレットをつなげる
- 欲しい仮想通貨とイーサリアムをスワップする
イーサリアムは国内外関係なく、すべての取引所で取り扱っているため、使い勝手のよいブロックチェーンです。DEXでのスワップに利用できるだけでなく、NFT取引にも使えるため、はじめに利用するブロックチェーンとしておすすめです。
パンケーキスワップ
名称 | ブロックチェーン | 独自トークン |
パンケーキスワップ(PancakeSwap) | バイナンススマートチェーン(BSC) | CAKE |
パンケーキスワップ(PancakeSwap)は、バイナンススマートチェーン(BSC)上で構築されているDEXであり、低コストと高速処理が特徴です。
パンケーキスワップは以下の手順で行います。
- 取引所でBNB(バイナンスコイン)を購入
- ウォレットに送金
- パンケーキスワップにアクセス
- パンケーキスワップにウォレットをつなげる
- 欲しい仮想通貨とBNBをスワップする
パンケーキスワップでスワップを行うには、BNBが必要です。国内取引所においてBNBの取扱いは少ないですが、国内仮想通貨取引所「bitbank」で購入できるため、パンケーキスワップを利用する場合、口座開設を検討してみましょう。
クイックスワップ
名称 | ブロックチェーン | 独自トークン |
クイックスワップ(QuickSwap) | ポリゴン | QUICK |
クイックスワップ(QuickSwap)はポリゴンチェーン上に構築されているDEXで、イーサリアムチェーンのDEXよりも、ガス代(手数料)を抑えられる点が特徴です。
クイックスワップは以下の手順で行います。
- 取引所でポリゴン(MATIC)を購入
- ウォレットに送金
- クイックスワップにアクセス
- クイックスワップにウォレットをつなげる
- 欲しい仮想通貨とポリゴンをスワップする
クイックスワップを使うには、ポリゴンが必要です。ポリゴン自体はイーサリアムの問題を解決するために開発されたブロックチェーンであり、多くの取引所で取り扱っているため、購入が比較的簡単です。
仮想通貨のスワップを行うメリット
スワップを通じて仮想通貨を交換する場合、取引所で購入するときとは違うメリットがあります。
ここでは、仮想通貨でスワップを行うメリットについて、以下3つの点を解説します。
- 仮想通貨を簡単に交換できる
- 低コストで金融サービスを利用できる
- 個人情報の提示と本人確認が必要ない
仮想通貨を簡単に交換できる
スワップを利用すると、仮想通貨同士を交換できるため欲しい通貨が手に入りやすくなります。
たとえば、イーサリアムを手放してポリゴンを保有するとしましょう。取引所の場合は、一度イーサリアムを売却して日本円に換金し、再度ポリゴンを購入します。
一方でスワップの場合、イーサリアムとポリゴンを交換できるため、法定通貨への変換は必要がありません。
そのため、スワップは保有通貨を欲しい通貨に交換する際、利便性が高い手段といえるでしょう。
低コストで金融サービスを利用できる
スワップで仮想通貨を交換する際に活用するDEXは、ブロックチェーン上で構築されており自動取引となっているため、CEX(中央集権型取引所)と比較するとコストがかかりにくいです。
仮想通貨取引所では、売買手数料や出金手数料、スプレッドなどの費用がかかります。一方、DEXの利用では、そのような取引手数料は必要ありません。
ただ、注意点としてスワップ時には、ブロックチェーンを動かすためのガス代(手数料)が発生するため、覚えておきましょう。
スワップを行うDEXではガス代こそ発生しますが、CEXと比較すると管理コストがかからないため、低コストで金融サービスを利用できるメリットがあります。
個人情報の提示と本人確認が必要ない
スワップを行うDEXでは、個人情報の提示や本人確認が必要ないため、プライバシーを気にせずに利用できるメリットがあります。
銀行や取引所では、口座を開設する際に住所や氏名、本人確認書類などを提示しますが、DEXには必要ありません。ただし、DEXに接続する際に使用するウォレットによっては、本人確認が必要になるため注意しましょう。
仮想通貨を取引する際に、個人情報や本人確認をするのは抵抗がある人も一定数存在するため、スワップで仮想通貨を交換できるのはメリットといえます。
仮想通貨のスワップを行うデメリット
仮想通貨同士を交換するのに、スワップは便利な仕組みですが、デメリットも存在するため、確認しておきましょう。
ここでは、仮想通貨のスワップを行うデメリットについて以下4つを解説します。
- 詐欺プラットフォームに接続してしまう可能性がある
- 税金の計算が複雑になる
- 消費者保護の枠組みが整備されていない
- 詐欺通貨をスワップすると資金が流出する
詐欺プラットフォームに接続してしまう可能性がある
仮想通貨スワップのデメリットとして、詐欺プラットフォームに接続してしまい、ユーザー資産の盗難が挙げられます。
仮想通貨は、匿名性が高く分散化されているため、詐欺師が詐欺プラットフォームを設立しやすい環境が整っています。
たとえば、本物そっくりの詐欺プラットフォームを作成し、SNSで宣伝を行っていたとしましょう。間違ってウォレットをつないだユーザーの資金が盗まれる環境下となるため、非常に危険です。
スワップを行うときは、ユニスワップやパンケーキスワップなど代表的なDEXを利用し、詐欺プラットフォームにはつながないよう注意しましょう。
仮想通貨のリスクにつきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-trading-risk
税金の計算が複雑になる
スワップした時点で仮想通貨を売却した扱いになり課税対象となるため、取引における税金の計算が複雑になるデメリットがあります。
また、仮想通貨同士を交換したときは、通貨それぞれのレートも絡むため、所得金額の算出に手間がかかります。
たとえば、以下の条件で計算してみましょう。
- 4月1日に200万円で4ETHを購入
- 4月10日に6,000MATICをスワップするために1ETHで交換
- 交換当時、1MATIC=100円
上記の場合、所得金額は以下の計算式で求められます。
【計算式】
(100円×6,000MATIC)-(200万円÷4ETH)×1ETH=100,000円(所得金額)
参考:金融庁「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)」
計算レートはあくまで例えですが、スワップごとに複雑な計算が必要です。スワップは仕組み上、税金の計算が複雑になるため注意しましょう。
仮想通貨の確定申告につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-tax
消費者保護の枠組みが整備されていない
仮想通貨スワップに利用するDEXは、金融庁の認可を得ていないサービスであるため、消費者保護の枠組みが整備されていないデメリットもあります。
DEXの利用は自己責任であり、詐欺や盗難にあった場合、資金は戻ってきません。一方取引所の場合は、顧客資産の管理をオフラインで管理したり、保護基金を積み立てたりして対策しています。
スワップ取引は便利ですが、DEXは自己責任で利用するため、セキュリティが完全ではありません。もし安全に仮想通貨取引をしたい場合は、金融庁に認可されており、セキュリティ体制に定評のある国内取引所を利用しましょう。
詐欺通貨をスワップすると資金が流出する
DEXにはCEXと違い上場条件がないため、ビットコインやイーサリアムなど主要な通貨以外に、詐欺通貨(スキャムコイン)も乱立しています。そのため、何気なくスワップすると資金の流出につながる可能性があります。
たとえば、DEXにつないでいたウォレットに覚えのない仮想通貨が入っていた場合、スワップしてしまうと、保有通貨をすべて盗まれてしまう可能性も否定できません。
DEXでは、珍しい仮想通貨を取引できるメリットがある一方、詐欺通貨をスワップする可能性もあるため、身に覚えのない通貨は基本的に触らないようにしましょう。
仮想通貨のスワップは今後も有効なのか
仮想通貨のスワップは、市場規模が増加しているため、今後も有効な手段として継続する可能性があります。
実際に、以下で仮想通貨市場の時価総額の推移を見ると、6年で約3倍の規模に成長しています。
年 | 時価総額 |
2018年 | 約130兆円 |
2024年 | 約400兆円 |
参考:CoinMarketCap「グローバルライブ暗号資産価格チャートと市場データ」
また、スワップ取引に利用されるDEXの1つであるユニスワップの取引高は、24時間で約250億円あり、活発に取引が行われています。
仮想通貨市場の成長が継続的に続く場合、ユーザーも増え続けるため、スワップは今後も有効でしょう。
仮想通貨の始め方につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/kyokasho-start
仮想通貨取引所に慣れたあとでスワップ取引に挑戦しよう
仮想通貨におけるスワップとは、仮想通貨同士を交換する仕組みです。法定通貨に換金する必要がないため、取引所で売買するよりも手間を省けます。
スワップを行う際に利用するDEX(分散型取引所)は、個人情報の提示や本人確認が不要なため、誰でも気軽に取引できますが、その分詐欺プラットフォームにつながってしまう可能性もあります。
まずは、取引所でリスクを抑えて売買を行い、仮想通貨の知識を蓄えたあとで、スワップ取引に挑戦してみましょう。