先物市場の乖離は今年の安値圏まで下落、投機的な動きが急低下

今週の値動き

- 今週のビットコインは10月27日の1751万円から取引が始まりました。先週末は相場が上昇し、今週は買いが継続すると思われましたが、週始めから上値が重くなりました。週中に入っても高値を切り下げる動きは止まらず、日足では連続陰線となりました。安値は1641万円となり、先週の上昇分を帳消しにする動きとなりました。金曜日に入り買い戻しが入り、現在は24時間移動平均線(24EMA)を上回り、下落のトレンドラインを試す展開が見られます。トレンドラインを超えることができれば、来週の反発の目が出てくるでしょう。トレンドラインを明確に超えるまでは下落方向への動きに警戒です。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、2週間前にマイナスとなる場面もありましたが、今週は安定的にプラスで推移しています。現在は0.005%程度で推移しており、ほぼニュートラルな状態と言えます。ポジションの偏りは見られない状況です。
2.ロング・ショート清算推移
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- 今週は下落する場面が多かったため、ロングポジション側で大きな清算が発生しました。29日にはデイリーで1億ドルを超える清算を記録しました。ここ最近はロング側で清算が目立っており、買い手が損失を出している状況です。約3週間前の10億ドルの清算に比べると小幅ですが、清算の連鎖が止まらない状況です。
3.3ヶ月先の先物価格乖離率
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- 3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率は6%程度で推移しています。一時は4.5%を下回る動きもあり、先物買いは弱い状況です。今年の推移を見る限りは、5%近辺で相場が反転する傾向があります。総悲観とは言えないものの、デリバティブ市場ではポジション調整がかなり進んだと考えられます。高値圏で建てられたポジションが解消されることで、相場の下落方向への動きも鈍化してくると予想されます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は今週大きく下落しています。取引所からの現物流出が進んでいますが、価格の上昇には繋がっていません。多くの場合、遅行的に反応するため、足元の相場への影響は限定的です。一方、取引所の現物が枯渇し、このまま売り需要が減少するようであれば徐々に下値は底堅くなるでしょう。
2.利益確定送金
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- 同指標は、利益が出ているビットコインの送金推移を示すものです。足元では送金が増加しており、短期の利益確定売りが進んでいるものと見られます。ポジション整理が進めば徐々に上値も軽くなっていくでしょう。
まとめ
- 今週のビットコインは明確に売りが優勢な相場となり、1700万円を再度割り込みました。デリバティブ市場ではポジション調整が進み、特に先物取引の乖離率は今年の安値近辺まで下落しています。投機的な動きが急激に後退しています。オンチェーンデータでは利益を確定する長期投資家の動きが見られ、足元の上値が重い要因となっています。今週は10月最終週ということもあり、利確売りが出やすい週でした。来週は11月相場に入るため、相場の変化を期待したいところです。一方、現状の相場は弱含んでおり、1700万円台を明確に超えてくるまでは下落方向への動きに警戒です。








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