材料出尽くしでも動意薄 BTCの膠着相場はまだ続く?
2日のビットコイン(BTC)対円相場は12,499円安(- 1.26%)の980,401円。1日の米指標改善を受けた株高に連れて99.9万円まで浮上した前日の相場だったが、この日公表されたFOMC議事要旨でイールカーブコントロール(YCC)の効用について米連邦準備制度委員会(FRB)が懐疑的な姿勢を示したことがわかると上値は抑えられた。2日の相場はアジア時間に前日の上げ幅を縮小。この日発表の雇用統計が市場の予想を上回り米指数先物が上昇すると瞬発的に連れ高になる場面もあったが、リスク回避姿勢後退が示唆されたこともあってか、すかさず反落し、対ドルでは節目の9000ドルを一時割り込んだ。一方、9000ドル水準では押し目買いが入り、NY時間終盤にかけては徐々に値を戻した。
今週は保合い放れの切っ掛けとして米指標に期待していたが、週明けから2日までの値幅は3万円程度と引き続き商い薄で動意に欠ける展開が続いている。こうした中、BTCの30日物ヒストリカルボラティリティーは18年末や19年第一四半期の膠着相場時の水準まで沈んでいる(第1図)。「大保合いは大相場」とも言われるように、相場が膠着した状態が長く続けば保合いを放れた際に大きく動きやすい傾向があり、18年末や19年第一四半期後もやはり相場は大きく動いた。こうした状況では実際に相場が保合い放れとなるまで市場参加者は取引を控えやすく、相応にインパクトのある材料や巨額のロスカットが発生するまで膠着相場が続くと指摘される。
本日は米国が休場のため今週の重要指標は出尽くし感がある。YCC導入への期待も砕かれた訳だが、足元でのハッシュレート持ち直しや米中関係悪化と、悲観するほどではないと見ている。引き続き3月で相場は今年の大底をつけ足元は値固めと考えているが、はっきりと方向感が出るまで休むも相場か。