ビットコインは1000万円割れから反発、大きいロングポジションの清算がきっかけに
今週の値動き
- 今週のビットコインは5月22日の1071万円から取引が始まりました。相場は始値の1070万円近辺がレジスタンスとなり、上値が重い展開となりました。先週は11.2%上昇した反動から短期的な利確売りが発生しました。今週は月曜日から木曜日まで下落する展開となりました。一方、970万円まで下落した後に木曜日のアメリカ時間から買い戻しが入りました。現在の1時間足は1032万円で推移しており、24時間移動平均線の上位で推移しています。週始めは売り一辺倒の相場となりましたが、週後半にかけて反発の兆しが見られ、移動平均線の上位を維持できれば、来週は底堅い相場となるでしょう。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。現在は0.006%となっており、過熱感を示す0.01%を超えた状態にはありません。相場は底堅く推移している一方、ロングポジションへの偏りは見られません。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は、今週始めに価格が下落していた時に縮小していました。乖離率は一時10%まで下落しました。1000万円を割り込んだ際に長期トングポジションが解除されたと見られ、急落しました。一方、昨日の終値から本日にかけて相場が反発したため、先物取引が再度買われ乖離率は上昇し、足元で11%台となっています。今週は価格の下落時に先物市場のポジション調整が行われました。
3.ロング・ショート清算推移
- 今週は価格の下落時に大きめのロングポジションの清算が発生しています。清算額は約2200万ドルとなり、ここ3ヶ月間では2番目の高さとなりました。大きめの清算が発生したことで、本日の相場の反発に繋がりました。ロングポジションが狩られたことで上値が軽くなった可能性があります。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は先週大きく上昇する動きが見られました。今週は同指標の大きな上昇は見られず、小幅に下落しています。短期的な利確売りを目的とした送金が一巡した可能性があります。このまま同指標が下落する動きとなれば、今後の相場の上値が軽くなる可能性があります。
2.利益確定送金推移
- 同指標は、含み益が出ている状態のアドレスから送金があったデータを抽出したものです。今週は価格が1050万円近辺で推移していた際に大きめの送金がありました。一方、先週に比べると少額の送金となりました。7月23日の送金後に相場は下落しており、利益を確定しようとする売りに押される結果となりました。
まとめ
- 今週の前半は利確売りに押される展開となりましたが、相場は週後半に反発し、1時間足は移動平均線の上位で推移しています。週次の下落幅も3.5%に減少しています。デリバティブ市場では木曜日に1000万円を割り込んだ際にロングポジションの清算が発生し、上値が軽くなったことが相場の反転に繋がりました。オンチェーンでは取引所への利確り送金が一服したことが示唆されました。このまま送金が落ち着けば来週の相場は上値を追う展開が予想されます。今週の相場は1000万円を割り込むなど軟調な展開も見られましたが、週の後半から反発し、いい流れで週末を迎える結果となりました。