米中関係改善期待でBTCは底入れ 好材料豊富も下窓に注意

20日〜26日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比107万6837円(6.55%)高の1751万5430円と反発し、前週の下げ幅を奪回した。
トランプ米大統領による10日の対中関税引き上げ発表の直前に大口のBTCショートポジションを入れた、通称「トランプ・インサイダー」のポジションが注視されるなか、先週のBTC円は1600万円台半ばで上値が重くも底堅い推移を繰り広げた。
週後半に入ると米株の上昇に連れ1700万円を試す展開となり、24日の米消費者物価指数(CPI)を前に同水準を回復したが、「トランプ・インサイダー」が100BTCをクラーケンに送金したことで1680万円まで押した。ただ、9月の米CPIは市場予想を小幅に下回る結果となり、その後は株高やドル安が相場の支えとなり、1700万円を回復して週末に入った。
26日には、米中閣僚級通商協議でレアアースの輸出規制やフェンタニル問題など多くのトピックで合意の枠組みができたと伝わり、1740万円まで上昇。今朝方、シカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物が取引を再開すると、1750万円を突破した。

10万ドル(≒1530万円)も視野に入っていたBTCだったが、週後半にかけて底入れの様相を呈した。ドル建てでは、史上最高値からの半値戻し11万5000ドルを試す展開となっている。「トランプ・インサイダー」動向が引き続き警戒されてはいるものの、同ユーザーの新規のショートポジションは確認されていない。
9月の米CPIは、前年比で8月の+2.9%から+3.0%に加速したものの、市場予想の+3.1%は下回った。さらに、コアCPIは+3.1%から+3.0%に俄かに減速し、FF金利先物市場での年内2回の利下げ予想は維持されており、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通りに25ベーシスポイント(bp)の追加利下げが濃厚と言えよう。その他の焦点としては、12月の利下げの有無とQT(量的引き締め)の停止が発表されるか否かと言えるが、最終日の29日まで利下げへの期待感がBTC相場の支援材料となりそうだ。
30日には米中首脳会談で貿易合意が実現される公算も高く、米中関係改善期待がリスクオンムードを支えるだろう。
反対に、今週はこうしたイベント通過後の事実確定売りや利食いに警戒しておきたい。週末の相場上昇によってCMEのBTC先物は2300ドル(≒35万円)ほどの下窓を開けており、上昇一服後に窓埋めを試しにいく展開には注意が必要だろう。10月前半の相場上昇で史上最高値を記録した後でも、CMEの下窓は埋まっているため、油断は禁物と言えよう。




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bitbank Report 2025/10/27:米中関係改善期待でBTCは底入れ 好材料豊富も下窓に注意









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