ブラックマンデーに備えBTCは下落 どこまで下げるか?

3月31日〜4月6日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比94万3066円(7.64%)安の1139万4961円と続落した。
週央まで戻りを試す展開となり、一時は1300万円を回復したBTC円だったが、トランプ米政権が発表した相互関税が想定以上に厳しい措置となったことでリスクオフムードが加速し、3日朝方には急反落を演じ、1220万円台まで水準を落とした。この日の米国時間に差し掛かると更に下げ幅を拡大し、1200万円を割り込んだ。
一方、その後の米指標の下振れによる利下げ期待や、暗号資産(仮想通貨)推進派のポール・アトキンス氏が次期米証券取引委員会(SEC)委員長任命に前進したことで、BTC円は1200万円を回復し、徐々に戻りを試した。
4日の欧州時間には、中国が対米報復関税を発表したことで、相場は再び急落を演じたが、米雇用統計で月間雇用者数が上振れた一方、失業率が上昇したことで下げ止まると、ベッセント米財務長官が「ビットコインは価値の保存手段になりつつある」と発言したことを受け、1250万円近辺まで戻した。
しかし、週末に入ると相場はジリ安に推移。本日未明には週明けのブラックマンデー再来懸念を先取りする形で売りが加速し、一時は1100万円近辺まで下値を広げた。

中国の報復関税発表による米国株相場の下落を耐えたBTCだったが、週末に売りが殺到した。既に今週はアジアの株式市場にリスクオフが波及しており、米国市場ではブラックマンデー到来が危惧されている。これに先立って換金需要が週末の仮想通貨市場で顕著になったと言え、本日の米国市場を通過するまではリスク回避の動きが続くか。
ドル建てのBTC相場は昨日の下落で7万9000ドル(≒1154万円)を割り込み、オンチェーン上で出来高が極端に薄い「真空地帯」に突入した(第2図内赤帯)。足元の水準で米国市場にブラックマンデーが起きれば、7万ドル(≒1026万円)周辺まで一方的に売り込まれる可能性に注意したい。

尤も、週末に先んじて売りがでた分、BTCの底打ちは時間の問題ともみている。オンチェーン上でBTCの保有期間が半年未満の短期筋(STH)の損益の割合は、足元で90%以上が含み損の状態となっている(第3図)。こうした状況は弱気筋から新たな買い手にBTCが渡っていることを示し、その中で損切りラインが引き下がっていくことから、相場の下落には歯止めが掛かり安くなる。過去の傾向ではSTHの損失レシオが90%〜100%で相場の下落が切り返しており、BTC相場の底打ちは近いと言えよう。
関税を巡る動向や政界的な景気の先行きに強い不透明感がある現状だが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という想定は引き続き保持している。関税によって米国内の裁量消費は著しく減速すると指摘され、景気後退の懸念が燻るが、その先には米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和による景気刺激策が待っていると言え、BTCは復調までもう少しの辛抱とみている。




