FRBのステルス緩和開始もBTCは底入れ失敗 今後は米指標待ちか

10日のビットコイン(BTC)円は1453万1円から取引が始まった。FOMCの最終日となったこの日は、1450万円周辺で動意に欠ける展開で始まると、欧州勢参入後には警戒感から弱含みに推移し、1440万円まで下落した。しかし、米国時間の相場は底堅く推移すると、FOMCが3会合連続の25ベーシスポイント(bp)の利下げと、月間400億ドルのTビル(財務省短期債券)購入再開を決定したことや、パウエルFRB議長が利上げの可能性を否定したことで、1475万円まで反発した。一方、パウエル議長が「(FRBには)経済の先行きを見極める余裕がある」と、利下げにブレーキを掛ける可能性を示唆したことで、BTCは高値から急反落を演じた。終値は1435万5921円となり、底入れには失敗した。


FOMCが発表したドットプロットは、来年1回の利下げ予想が維持されたが、28年以降の長期的な金利予想も維持された。パウエル議長からは今後の利下げ期待を後退させる発言もあり、足元ではBTC売りがやや強まっているものの、来年4月の納税期限に向けた流動性提供のためにバランスシート拡大が予想以上に早く再開され、ステルス緩和により金利には下押し圧力が掛かると指摘される。また、同氏は記者会見で度々労働市場への懸念を示しており、16日に発表される11月の米雇用統計が注目される。今回のFOMCは良くも悪くもサプライズに乏しい結果となったが、「データ次第」というこれまでのFRBのスタンスに変わりはなく、雇用統計の発表までBTCは値固めで方向感に欠ける展開が続くと見ている。



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bitbank Report 2025/12/11:FRBのステルス緩和開始もBTCは底入れ失敗 今後は米指標待ちか








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