BTCは保ち合い上放れならず 循環物色の順番待ちか
8月第3週のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比30,391円(2.45%)高の1,269,827円と小確りで4週続伸。8月高値(1,286,952円)の更新に及ばなかったものの、日足では三角保ち合いの様相を呈している(第2図)。先週は11日の金先相場の急落に連れ安となり一時は119万円を割り込む場面もあったBTCだが、DeFi関連銘柄のチェーンリンク(LINK)やイーサリアム(ETH)相場の上昇が助けとなり、週央12日からは粘り強い推移で徐々に下げ幅を取り戻していった。週末15日には、米中通商合意の進捗検証を目的とした閣僚級会議が開催予定だったが、14日のNY時間にまさかの延期報道が出た。この協議の結果を受けた週末の値動きに注目していたが、BTCは結局ジリ上げに終始。結果的に11日の下げ幅は完全に奪回できたが、三角保ち合い上放れとはならなかった。
米中の閣僚級協議の延期は拍子抜けだったが、こうした中でも循環物色は続き、今月は比較的上値が重かったビットコインキャッシュ(BCC)やライトコイン(LTC)に買いが入り、双方とも週末に月間でプラス圏に浮上した(第3図)。先週はETHも年初来高値を更新しており、買いが順回転する市場でBTCは順番を待つ状態か。
テクニカル的にもチャートの見通しは良好と言える。上述の通り、相場は三角保ち合いの様相で上昇トレンドの休止期間を示唆している。移動平均線は短期から長期の線が上から順に綺麗に並び、中長期でトレンドが継続することを示唆する「パーフェクトオーダー」が維持されている。ボリンジャーバンドはスクイーズしており次のトレンド開始を示唆。センターラインは上向きで推移しており、相場が上昇基調に復帰する公算が高いと言えよう。一目均衡表では強い買いシグナルとされる「三役好転」が維持されている。先週の揉み合いでRSIも「買われ過ぎ」水準とされる70%を割り込んでおり、チャート上では上昇余地があると指摘される。