米PPIの下振れサプライズでBTC反発 保ち合い上放れに成功

10日のビットコイン(BTC)円は1646万5827円から取引が始まった。ロシアがポーランド領空を侵犯したことによる地政学リスクで東京時間序盤の相場は1640万円周辺まで下落したが、事態が早期終息したことで下げ幅を奪回。米連邦準備理事会(FRB)による利下げが期待されるなか、欧州勢参入後には1660万円を回復した。その後、米国時間序盤に発表された8月の米卸売物価指数(PPI)が、前年比で市場予想の+3.5%を下回る+2.8%となったほか、前月比では-0.1%と低下したことで、相場は1680万円周辺まで一段高を演じた。一方、残りの米国時間では、高寄りした米国株相場が失速したことで、BTCは高値を維持しつつも弱含みに推移。引け後からは水準を戻し、終値は1681万1901円となった。


米PPIの下振れサプライズによって、BTCは想定していた上値目途の11万3000ドル(≒1666万円)を上抜け、先週の米雇用統計直後の下げ幅を完全に奪回し、およそ3週間ぶり高値に浮上した。今週のBTC相場は値固めによる揉み合いを想定していたが、11万3000ドル周辺のレジスタンスをブレイクしたことで、先月のジャクソンホール会議後の下げ幅を縮小する可能性も視野に入ってきた。本日は8月の米消費者物価指数(CPI)を控えているが、PPIが下振れたことを考慮すれば、トランプ関税によるコスト上昇の消費者物価への波及は、8月は限定的となる可能性が指摘される。他方、為替と債券市場のPPIへの反応は鈍く、CPIを静かに待っている模様だ。よって、本日のBTCは為替や金利主導の大きな動きに注意が必要だろう。



PDFリンク
bitbank Report 2025/09/11:米PPIの下振れサプライズでBTC反発 保ち合い上放れに成功