方向感を欠くビットコイン 値固め継続が濃厚か

9日のビットコイン(BTC)円は1653万円から取引が始まった。東京時間序盤は1640万円まで水準を下げるも、売り一服後は押し目買いの様相で下げ幅を奪回し、終盤には1667万円周辺まで上昇して先週の雇用統計後の下げ幅を更に縮小した。一方、欧州時間に入るとドル円相場の下落が相場の重石となり、1650万円近辺まで押した。注目された米雇用ベンチマーク改定では、3月までの12カ月間の雇用創出が従来より91.1万人少ない結果となると、ロングの投げを伴って1634万円まで急落。しかし、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待によってその後はジリ高に推移し、終値は1646万5827円となった。


米雇用ベンチマークの改定は、市場予想の81.8万人減を大きく下回る結果となったが、労働市場の減速そのものが幾分織り込まれていたほか、FRBによる利下げが確実視されていることで、やはりBTC相場は大きく崩れなかった。昨日の現物ビットコインETFへの資金フローは大幅に減速しているものの、米国株相場が確りとしていることに鑑みれば、BTCの下値は引き続き堅いだろう。本日は8月の米卸売物価指数(PPI)が控えているが、週明けにも指摘の通り、利下げが確実視されていることからインフレ指標の市場への影響は限定的とみている。ただ、PPIは強めに出た7月のデータから若干の伸びの鈍化が予想されており、BTCは節目の11万3000ドル(≒1665万円)まで戻す余地があると指摘される。


