BTCドルは曖昧なブレイクアウト 今回はダマシとならないか?
4日のビットコイン(BTC)対円相場は続伸し、およそ2週間ぶりに終値で1090万円を回復した。東京時間のこの日の相場は、1077万円から小高く推移するも上昇一服後に反落し、欧州時間まで小甘い展開が続いた。一方、欧州域内の国債利回りの低下を受けて米債利回りも緩む展開となると、BTCは1070万円で下げ止まり、米時間序盤に反発。その後発表された4月のJOLTs求人件数が下振れると、相場は上値を追う展開に転じ、70,000ドル水準(≒1087万円)や、ドル建てBTC相場の下降チャネル上限(約70,300ドル≒1091万円)の上抜けに成功した。米市場終盤のBTC相場は失速するも、終値では下降チャネルの上限を僅かに上回った。
ECB理事会や米雇用統計を待たずしてBTCドルは下降チャネルからのブレイクアウトに成功したが、終値はチャネル上限を200ドル程度上回っただけで、先月20日にダマシとなったブレイクアウトと同様にはっきりとした「上放れ」という印象は薄い。しかし、米SECによる現物イーサETF早期承認期待で相場が上昇した当時と異なり、足元のBTC相場は米連邦準備理事会(FRB)による年内利下げ着手観測の強まりに支えられていると言え、本日のBTC相場の下値は堅いだろう。こうした中、本日発表されるADP雇用統計では雇用増加ペースの鈍化が見込まれている一方、5月の米非製造業PMIは前月からの改善が見込まれている。ただ、カナダ中央銀行(BoC)は本日の政策決定会合で利下げ着手を決定する公算も高く、他の主要国・地域中銀の利下げ開始への期待感が強まれば、BTC相場には追い風となろう。
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bitbank Report 2024/06/05:BTCドルは曖昧なブレイクアウト 今回はダマシとならないか?