今週のビットコインのデリバティブ分析、先物価格の上乖離は3%まで縮小

今週の値動き
- 今週のビットコインは、先週に引き続き上値が重い展開となっている。週始めは445万円で推移し一時は430万円まで下落した。しかしその後、相場は持ち直し買われ始めた。9日にはデイリーで8%ほど上昇し490万円まで上昇した。日足チャートが改善し、このまま底堅く推移すると思われたが、500万円のレジスタンスを超えることができず、再度売られる展開となった。現在の価格は450万円付近で推移しており、今週の始値とほぼ同じ価格帯で取引されている

今週の先物市場・無期限先物の資金調達率
- 価格の上下と共に資金調達率も連動して上げ下げを繰り返しており、先物のポジションに偏りがあまりない状態だ。価格が上昇するとロングの比率が増え、価格が下落するとショートの比率が増えていることを表している。一昨日、価格が490万円まで上昇した時は、資金調達率が0.009%まで上昇している。しかし価格が大きく下落した昨日、資金調達率は-0.001%まで下落した。-0.001%はここ1ヶ月間の最安値だ。

先物価格の年次乖離率
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離は今週も下落傾向が継続している。ビットコイン価格が最高値圏で推移していた11月以降、先物価格の上乖離は縮小し、今週は3.0%を記録している。grassnode.comの記録上の最低値は昨年7月に記録した2.4%だが、今週の3.0%もここ2年間の最低圏だ。先物市場の長期的な視点で現在のビットコインは、低い評価を受けていることになる。

未決済建玉
未決済建玉は1月以降に大きな変化がないまま推移している。キャッシュマージンは17.1万ドル付近で推移しており、先週からほぼ変わらずだ。BTCマージンは、足元で小幅に上昇し12.5万BTCで推移している。価格がレンジで推移していることが、未決済建玉が大きく変化していない要因となっている。

強制決済額
- 今週は、ロング側に目立った決済は発生しておらず、昨日の下落時の41万ドルが最大だった。ショート側にはやや大きめの決済が発生しており、9日に52万ドルを記録した。ショートの決済額としては、2月24日に記録した78万ドル以来の高さとなった。相場はここ数週間、価格のボラティリティが減少してきており決済額も減少傾向にある。

まとめ
- 相場は依然としてレンジでの値動きを繰り返しており、デリバティブ市場でも目立った変化はない。無期限先物の資金調達率も上下に推移し、投機筋も方向感を決めかねている様子だ。3ヶ月先の先物乖離は引き続き上乖離が縮小しており、相場に過熱感がないことを示している。1月以来、価格が安値を割り込まず底堅い動きになっている要因だ。値動きにも先物市場にも大きなトレンドはなく、相場に強い方向感が出るにはやはり1月から続くレンジを抜ける必要がありそうだ。