大きな動きがなかったビットコインだが、デリバティブ市場ではショートポジションが増える

今週のビットコインは上下に小幅に動く展開となった。週始めは437万円からスタートした今週の取引だが、金曜日現在は、437.2万円で価格が推移し結果としてほぼ横ばいとなっている。2月2日には一時的に450万円にタッチしたが、高値を維持することができずに売られた。昨日は420万円を割り込む場面があったが、サポートラインで買い戻しが入り、現在は再度高値を目指す流れになっている。

今週も3ヶ月先の先物の年次乖離率は下落傾向にある。弱気トレンドが始まった昨年11月以来下落が続いており、今週は6.1%まで下落している。昨年11月には一時18%を記録したこともあったが、現在は昨年9月以来の低さとなっている。ヒストリカルで見ると、8%を下回ると下落トレンドの底値付近になることが多い。

今週の無期限先物取引の資金調達率は、プラスとマイナスがマチマチな状態となった。ややマイナスに触れる方が大きく、2月2日には-0.007%まで下落した。1月後半からマイナスになることが増えており、ショートポジションを持つトレーダーが増えていることを表している。

先物取引の清算は、価格に動きがなかったため、大きな清算は発生しなかった。特にショートポジションの清算はほとんどなかった。420万円を割り込んだ際に、ロングポジションでは1200万ドルの清算があった。これは1月24日以来の高さとなった。

オプション市場では、今週もコール側で損失が多く出る展開となりそうだ。ドル建てでは3.8万ドルからコールポジションが増えているが、現在のビットコインは3.79万ドルで取引されている。さらに今週はプット側でも損失が出るポジションが多く、3.6万ドルから下にプットポジションが多く存在する。先週と比べてプットポジションが多く、トレーダーはリスクヘッジのために売りポジションを増やしているようだ。

ビットコインは今週、値動き自体は大きくなったが、デリバティブ市場はさらにショートポジションを増やしている。デリバティブ市場には引き続き過熱感はなく、価格推移にポジティブな影響が予想される。価格は徐々に底堅い推移を見せており、来週以降もこの相場の流は継続するだろう。