資金調達率は昨年9月来の低水準、先物市場ではしっかり調整が行われている

今週のビットコインは昨日の1月20日と本日1月21日に強く売られる展開となった。それまでは370万円〜495万円のレンジで推移していたが、週末を前にして相場が崩れた。現在のビットコインは442万円付近で推移しており、本日は4.5%ほど下落している。下落の要因として挙げられているのが米株の軟調な値動きだ。今週はアメリカの主要な株式指数の売りがビットコインにも波及しており、昨日深夜の下落のタイミングもほぼ同時に発生している。テクノロジー系の株式を多く含むナスダックは今週、3.3%下落しており3週連続の陰線が濃厚だ。

今週のビットコイン無期限先物の資金調達率(FR)は引き続き下落傾向が続いている。先週のマイナスから一旦は持ち直したが、昨日の価格の下落によりFRも再度下落している。昨日の終値時点では0.005%を下回っている。資金調達率が0.005%を下回っている時は、市場に過熱感はなく、長期の買いポジションに対する有利なデータとして捉えることができる。価格は軟調な値動きが続いているが、先物市場ではしっかりと調整が行われている印象だ。

出所:Grassnode 資金調達率
3ヶ月先の先物価格の年次乖離率は、価格の下落とともに今週強く売られ低下している。先週、14日時点では乖離率は7.5%あったが、現在は6.1%まで下落している。昨年9月来の低い水準を記録しており、先物を取引するトレーダーは今後3ヶ月先の強い上昇を折り込んではいないようだ。こちらも資金調達率と同様に相場の過熱感を示すデータではない。

本日期日を迎えるオプション取引では、4.3万ドルから上位にコールポジションが増える傾向が見られる。4.4万ドルのコールオプションが最も多く、1403ポジションが残っている。プットオプションは比較的に少なく、3.9万ドルに1126ポジションが残っている。現在、ドル建て価格が3.9万ドル付近で推移しているため、今週もほとんどのコールオプションで損失が出ることになる。

今週もビットコイン価格は下落する展開となったが、先物市場では引き続き過熱感を示すデータはなく、長期的な買いポジション・シグナルが出ている。株価指数が来週も下落するならビットコインも引きずられる可能性が高いが、ビットコインの先物市場データは売り手がそこまで多くないことを示唆している。現在の相場のモメンタムは悪い一方、この価格帯から売るには慎重になる必要があるだろう。