Bitcoin Weekly Review: 安値更新をなんとか死守したか?オンチェーンは売り圧力の減少を示唆

今週の値動き

- 今週のビットコインは288万円近辺から取引が始まった。先週は3週間ぶりの週足陽線となり、今週は高値圏から取引が始まった。今週は、取引が始まると即座に戻り売りが発生し、上値が重い展開が続いた。高値を切り下げ、昨日木曜日は年初来安値の250万円近辺まで下落した。今週は月曜日から木曜日まで全ての日足が陰線を記録した。
- 下落が続いていたビットコインだが、昨日の終値直前に強い買い戻しが入り急騰した。2時間の間に一時10%ほど上昇した。年初来安値を試す動きは失敗に終わったようだ。足元で価格の変動幅は上昇しており、激しい相場展開になっている。価格は24時間平均の24EMA近辺で取引されている。昨日は安値の更新に失敗したため、短期では底堅い値動きも期待される。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率

- 資金調達率(FR)は、足元の価格下落に合わせてマイナスに振れている。ショートポジションの比率が上昇していることを示している。今週は価格が継続的に下落したことでロングポジションの清算が発生した。ショートポジションの比率が上がったと推測される。FRは-0.011%を記録し、先週、価格が安値を試した際に記録した低水準にまで下落している。今後もFRがマイナスで定着するなら、先週の後半に見られたような反発も期待される。
2.ロング・ショート清算

- デリバティブ市場のロングポジションとショートポジションの清算状況は上図に示されている。価格が下落したことでやはりロングポジションの清算を巻き込んでいることがわかる。ロングポジションでは2200万ドルと1000万ドルの大きな清算が発生した。昨日のロングポジションの清算はここ1週間で最も高かった。
- ショートポジションでは、本日の終値にかけて反発した値動きの際に2000万ドルの清算が発生した。ここ1ヶ月間で最も高い清算を記録した。
3.先物価格乖離(3ヶ月)

- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離は0.7%程度で推移している。ここ2週間は1%から0.25%の間で推移することがほとんどだった。時折マイナスで取引されることもあり、ビットコイン価格の大きな上昇を予想するトレーダーは多くない。1ヶ月前は3%程度で推移しており、現在は乖離が徐々に下落している。先物価格乖離を見る限り、デリバティブ市場の参加者はかなり弱気な価格予想をしていることがわかる。
今週のオンチェーン
1.取引所保のBTC推移

- 取引所保有BTCはここ2週間ほど下落傾向にある。足元ではユーザーからの潜在的な売り圧力が減少していることを示している。現在は240万BTC近辺で推移している。6月27日から取引所保有BTCは小幅に上昇し、足元の価格下落の要因となった。しかし長期では価格の下落と共に取引所保有BTCも減少している。
- 最近では価格下落の影響により経営状態が悪化し、仮想通貨の出金を停止するサービスも続出している。このためユーザーが取引所からビットコインを引き出す要因となっている。
2.含み益アドレス割合

- ビットコインの含み益アドレス割合は、価格の下落と共に安値を更新している。現在は54%まで下落しており、年初の73%から大きく下落している。僅かに含み益を抱えるアドレスの方が多い状態だ。
- 現在は2020年のコロナショック以来の低水準で推移しており、多くのアドレスで損失が出ている。ヒストリカルでは50%近辺まで含み益アドレス割合が下落すると、弱気トレンドが転換する傾向がある。
まとめ
- 週半ばは冴えない値動きとなったが、昨日の終値直前の上昇時には大きな出来高を伴った買い戻しが入った。今後の値動きの反転に期待したいところだ。
- デリバティブ市場では、引き続き弱気なトレーダーが多いことを示している。レバレッジを効かせてロングポジションを取りにいくトレーダーは少ない。
- オンチェーンでは、取引所保有BTCが減少し、含み益アドレス割合も低下している。足元で利益確定を目的とした売り圧力も減少傾向にあることを示している。今週は弱い値動きが目立ったが、年初来安値を大きく更新するような売り圧力は残っていないと考えられる。