BTCは3週続伸で8.5万ドル突破 利上げ観測後退で確り

9月28日〜10月4日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比32万6521円(2.45%)高の1363万4316円と3週続伸した。
週前半のBTC円は、概ね1310万円周辺で方向感に欠ける展開が続いたが、30日の米個人消費支出(PCE)デフレーターが市場予想比で下振れると、一時1340万円まで値を戻した。米金利がPCE発表直後の低下から切り返すと、BTCもすかさず上げ幅を掻き消したが、利上げ観測が徐々に後退していくなか、相場は小確りと推移した。また、10月1日にはジェファーソンFRB副議長が、必ずしも利上げを急がない姿勢を示したことで、BTCは再度1340万円を試す展開となった。
さらに2日には、ブラックロックの現物ビットコインETF(IBIT)に2億ドル弱の資金流入があったことも支えとなり、相場は1340万円を上抜けると、東京時間には1370万円台まで踏み上げられた。
この日注目された9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回ったことに加え、失業率も4.1%から4.2%に悪化。これを受けて米国債利回りは一時低下したものの、その後は反発し、BTCは戻り売り優勢となり1340万円周辺まで下落した。
一方、週末は金利の上昇を消化し、徐々に持ち直すと、今朝方にはショートカバーを伴って1360万円を回復した。


先週は米PCEデフレーターと雇用統計が揃って市場予想を下回ったものの、米国債利回りは指標発表直後の低下を維持できず、その後反発した。弱めの経済指標にもかかわらず金利が下がり切らないことから、インフレや財政を巡る懸念を背景とした米金利の先高観は依然として根強いと言えよう。
一方、FF金利先物市場では10月FOMCでの利上げ観測が直近1週間で大幅に後退している。つまり、足元の金利上昇は必ずしも追加利上げへの警戒だけを反映したものではないとみられる。実際、長期・超長期金利の上昇には歯止めが掛かっておらず、イールドカーブもスティープ化している。米国の財政持続性や国債需給への懸念が長期金利を押し上げているとすれば、無国籍資産であるBTCへの需要を喚起する要因となろう。追加利上げ観測の後退によって短期金利面からの逆風が和らぐ一方、長期金利の上昇に伴う財政懸念がBTCを支えるという構図は、足元の相場にとって比較的良好な環境と言える。
こうしたなか、BTCは先週まで上値を阻んできた8万5000ドル(≒1338万円)を終値ベースで上抜けに成功した。今朝方の上昇にはショートカバーも相応に寄与したとみられるものの、これまで抵抗帯となっていた同水準を明確に上抜けたことで、短期的には強地合いが続く公算が大きい。今週は相場の方向を大きく左右し得る経済指標などの材料にも乏しいことから、8万5000ドルを維持する限りは上値を試しやすく、心理的節目となる9万ドルが次のターゲットとして意識されよう。
尤も、金利の先高観そのものが払拭されたわけではないほか、中東情勢にも引き続き注意が必要だ。米・イラン協議には目立った進展がみられず、ホルムズ海峡では船舶への攻撃も相次いでいる。今週は重要な米経済指標が少ないからこそ、突発的な中東情勢のヘッドラインが相場に与える影響も相対的に大きくなりやすい。情勢が再び緊迫化し原油価格が上昇すれば、インフレ懸念を通じて追加利上げ観測が再度強まり、短期金利の上昇とともにBTCの強地合いに水を差す可能性がある点には注意したい。
従って、今週は8万5000ドルを下値の目処として、同水準より上での推移を維持する限り、9万ドルを試す展開をメインシナリオとして想定する。一方、中東情勢の悪化や短期金利の上昇を切っ掛けに8万5000ドルを明確に割り込む場合には、足元の上放れがダマシとなる可能性もあることから、相場の地合いを改めて見極める必要があろう。



PDFリンク
bitbank Report 2026/10/05:BTCは3週続伸で8.5万ドル突破 利上げ観測後退で確り












